ご確認

AAProjectは、医療関係業務に従事している方へ情報を提供することを目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご注意ください。


あなたは医療関係者ですか?



※一般の方でL-カルニチンについて詳しく知りたい方はロンザジャパン株式会社によるL-カルニチン総合案内がおすすめです。

L-カルニチン

AAP News(2007年)

会員利用規約に同意された方専用のページです。
同意されていない方は、速やかに退出ください。


2007年 年間提供AAPニュース


<AAP news 2007-023=20071116>

     Effect of homocysteine concentration in follicular fluid on a degree of oocyte maturity
    Article in Polish

    Ginekol Pol. 2003 Oct;74(10):1392-6.
    Sallmen, Markku ; Sandler, Dale P. ; Hoppin, Jane A. ; Blair, Aaron ; Baird, Donna Day

    Homocysteine (HCY) is an amino acid being a methionin catabolite. The action of HCY is multi-directional and not yet fully known. Follicular fluid also contains homocysteine. Disorders of the composition of follicular fluid as an microenvironment of an oocyte may influence its development. AIM: The aim of our study was to evaluate correlation between follicular fluid homocysteine concentration and degree of maturity of egg cell.

    MATERIALS AND METHODS: The research concerned 40 patients qualified for IVF-ET. Ovulation was stimulated according to the long protocol. 20 of 40 patients underwent folic acid supplementation. Pituitary suppression was performed by administration of the nafarelin. The subsequent follicular development was stimulated by HMG. To all patients 10,000 IU of hCG was administered 34-36 hours before follicle puncture. The oocytes obtained were assessed in respect of a degree of Veeck scale. In all patients, fluid samples were recovered from more than one follicle, centrifugated and frozen before analysis. Both in the follicular fluid and serum, homocysteine concentration was determined with the FPIA method. Concentration of the folic was measured with the MEIA method.
    RESULTS: These data support that homocysteine concentration in follicular fluid and serum was significantly lower in group with folic supplementation. The purpose of the research was to determine the dependencies between the concentration of HCY in follicular fluid and the quality of oocytes. It has been shown that in a group of women with folic supplementation and lower HCY concentration the percentage of oocytes in first and second degree of maturity was higher.
    CONCLUSIONS:
    Conclusions: This report of lower fertility in overweight and obese men needs replication. If the findings are robust, programs to prevent obesity may improve men's reproductive health and save medical costs for infertility treatment.

    1.Supplementation of folic acid diminish a concentration of homocysteine in both--follicular fluid and serum.
    2.Oocytes exposed to low homocysteine concentration present better quality and higher degree of maturity.
    3.There is a correlation between follicular fluid homocysteine concentration and oocyte maturity.

     ==========

<AAP news 2007-021=20070909>

     Preconception B-Vitamin and Homocysteine Status, Conception, and Early Pregnancy Loss
    American Journal of Epidemiology Advance Access originally published online on May 2, 2007

    American Journal of Epidemiology 2007 166(3):304-312; doi:10.1093/aje/kwm078
    Alayne G. Ronnenberg1, Scott A. Venners2, Xiping Xu2, Changzhong Chen3, Lihua Wang4, Wenwei Guang4, Aiqun Huang4 and Xiaobin Wang5,6

    HReceived for publication April 22, 2004. Accepted for publication February 2, 2007.

    Maternal vitamin status contributes to clinical spontaneous abortion, but the role of B-vitamin and homocysteine status in subclinical early pregnancy loss is unknown. Three-hundred sixty-four textile workers from Anqing, China, who conceived at least once during prospective observation (1996-1998), provided daily urine specimens for up to 1 year, and urinary human chorionic gonadatropin was assayed to detect conception and early pregnancy loss. Homocysteine, folate, and vitamins B6 and B12 were measured in preconception plasma. Relative to women in the lowest quartile of vitamin B6, those in the third and fourth quartiles had higher adjusted proportional hazard ratios of conception (hazard ratio (HR) = 2.2, 95% confidence interval (CI): 1.3, 3.4; HR = 1.6, 95% CI: 1.1, 2.3, respectively), and the adjusted odds ratio for early pregnancy loss in conceptive cycles was lower in the fourth quartile (odds ratio = 0.5, 95% CI: 0.3, 1.0). Women with sufficient vitamin B6 had a higher adjusted hazard ratio of conception (HR = 1.4, 95% CI: 1.1, 1.9) and a lower adjusted odds ratio of early pregnancy loss in conceptive cycles (odds ratio = 0.7, 95% CI: 0.4, 1.1) than did women with vitamin B6 deficiency. Poor vitamin B6 status appears to decrease the probability of conception and to ontribute to the risk of early pregnancy loss in this population.

    China; chorionic gonadatropin; folic acid; homocysteine; nutritional status; pregnancy outcome; vitamin B 6; vitamin B 12

     ==========

<AAP news 2007-020=20070708>

     メトフォルミン関連情報4
    2002.09.05

    【EASD学会速報】 2型糖尿病の発症予防の鍵は「減量」、1kgやせればリスクが13%低下--DPP試験より 耐糖能異常(IGT)があり、空腹時血糖値も高く、しかも太っている--。そんな人が2型糖尿病にならないためには、減量が最も効果的であることが、DPP試験の最新解析から明らかになった。9月4日に行われたシンポジウム「The Value of Pharmacological and Non-Pharmacological Interventions for the Prevention of Type 2 Diabetes」で、米国California大学Los Angeles校糖尿病センターのM. Saad氏が報告した。
    DPP試験(Diabetes Prevention Program)は、前述の2型糖尿病ハイリスク者約3200人を対象に、米国で行われた介入試験(関連トピックス参照)。2型糖尿病の3年発症率が、強力な生活指導で6割、標準的な生活指導に加え、ビグアナイド系薬のメトホルミン(わが国での商品名:メルビン、グリコランなど)の服用で3割、それぞれ低下することを立証した試験として名高い。
    今回発表されたのは、こうした介入が「どのような人により有効か」という解析。対象者の平均年齢は51歳で女性が68%、45%が非白人で、平均体格指数(BMI)は34と、かなりの肥満。Saad氏らは、年齢や性別、人種、BMI、空腹時血糖値など様々な要因について、介入の効果との関連を調べた。
    その結果、メトホルミン+標準的生活指導群では、1.空腹時血糖値が高い、2.75gブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値が高い、3.BMIが35を超える、4.若年(25~44歳)--という条件を一つ以上満たす人で、強力な生活指導群並みの効果が現れることが判明。逆に、空腹時血糖値やOGTT2時間値が低い人、BMIが25~30の人や60歳以上の高齢者では、標準的生活指導に加えプラセボを飲んだ人との間で差が出ず、薬の効果は現れなかった。
    一方、強力な生活指導を受けた人の中では、1.高齢(60歳以上)、2.腹部周囲径が細い、3.空腹時インスリン量が少ない、4.空腹時血糖値が低い、5.ヘモグロビンA1c(HbA1c)が低い--の5条件を一つ以上満たす人で、2型糖尿病の発症予防効果が特に高くなった。 「最も興味深いのは、“どの程度減量できたか”が、2型糖尿病発症予防の一番主要な予測因子であった点だ」とSaad氏。標準的生活指導(+プラセボ)だけでは体重はほとんど減らなかったが、メトホルミンを服用した人では平均2kg、強力な生活指導を受けた人では6カ月後の7kg減をピークに最終的には当初より5kg体重が減った。この減った体重の重さと2型糖尿病発症率とにはきれいな相関があり、「体重を1kg落とせば、2型糖尿病の発症リスクを相対的に13%減らせる」(Saad氏)ことが明らかになったという。

    糖・脂質代謝や心血管危険因子もやや改善、減量が主因か
    さらにSaad氏は、糖・脂質代謝や心血管疾患危険因子に対する各介入の効果についても データを提示。空腹時インスリン量は標準的生活指導のみ群で1μU/ml増えたのに対し、標準的生活指導+メトホルミン群で2μU/ml、強力な生活指導群で4μU/ml低下し、介入によりインスリン感受性がやや向上することがわかった。
    血圧はプラセボ群、メトホルミン群共に1/1mmHg低下し、強力な生活指導では3/3mmHg低下した。脂質代謝への効果は、総コレステロール値はどの群も3~4%程度しか下がらなかったが、トリグリセリド(中性脂肪)値はプラセボ群の5%、メトホルミン群の3%低下に対し、強力な生活指導群では15%の低下が認められた。
    介入の種類によるこれらの効果の違いについて、Saad氏は「減量度の違いが反映されているのだろう」と統括したが、発表後にフロアからは「体重で補正したデータはあるか」との質問が出された。これに対しSaad氏は「現在解析を進めているところ。6カ月以内に論文発表できるだろう」と答えた。
    Saad氏の“減量主因説”には懐疑的な聴衆も少なくなかったようで、「強力な生活指導でも体重が減らなかった人では、本当に糖尿病の発症予防効果はなかったのか」との質問も出された。Saad氏は「最も重要な効果は減量で、運動してもやせなかった人では効果がなかった」と答えたが、別の質問者からは「減量だけがエフェクターと考えるには、ピーク時でも7kgの減量というのは少なすぎるのではないか」とのコメントも出された。
    また、「強力な生活指導を行うにはどれだけのコストがかかるのか」という、DPP試験の結果を臨床に取り入れる上で欠かせない質問も出された。これに対しSaad氏は、「およそ一人当たり2万5000ドル(約295万円に相当)かかった」と回答、近くJournal of American Medical Association(JAMA)誌に費用分析に関する論文が掲載されると述べた。

     ==========

<AAP news 2007-019=20070627>

     メトフォルミン関連情報2
    2002.09.20

    糖尿病妊婦の出産、2型でもハイリスク
    死産率4.7倍、先天異常も2.2倍と高率関連ジャンル:出産 | 糖尿病
    1型糖尿病の妊婦では、先天異常や周産期死亡、新生児死亡リスクの上昇が報告されてきたが、母親が2型糖尿病の場合でもこれらのリスクは1型と同様に高いことが分かった。英国における全国規模の調査で明らかになったもので、1型、2型を含む糖尿病妊婦では、一般の出産と比べ、死産率は4.7倍、周産期死亡率は3.8倍、新生児死亡率は2.6倍、先天異常も2.2倍に上るという。母子の健康向上を目指して全英規模の調査や勧告などを行っている英Confidential Enquiry into Maternal and Child Health(CEMACH)のMary C M Macintosh氏らにより、British Medical Journal(BMJ)誌2006年7月22日号に報告された。
    これまで、主に1型糖尿病の妊婦を対象にした研究により、先天異常、周産期死亡、新生児死亡リスクの上昇が報告されてきた。が、近年、出産可能な年齢の女性の2型糖尿病が増加していることから、CEMACHは、糖尿病妊婦のケアの質と妊娠の転帰を調べるプログラムを英国(イングランド、ウェールズ、北アイルランド)で開始、得られたデータの一部を今回公表した。
    これらの地域の231カ所の産科で、2002年3月1日から2003年2月28日の間に出産した1型または2型糖尿病の妊婦2359人(多胎もあったため児数は2400人)を対象とした。652人が2型糖尿病、1707人が1型糖尿病で、全員が妊娠前に糖尿病と診断されていた。発症年齢の中央値は、1型が15歳、2型が29歳だった(P<0.001)。主要アウトカム評価指標は、死産率、周産期死亡率、新生児死亡率、先天異常の有病率に設定した。
    対象者のうち、2型糖尿病患者には、黒人や東洋系その他の、英国では少数派の民族が多く(2型ではその頻度は48.8%、1型では1.91%、P<0.001)、貧困地域の住民も多かった(2型では46.3%、1型では22.8%、P<0.001)。
    1606人(68%)の女性について、妊娠13週の時点のHbA1cの値が記録されていた。HbA1cが7%未満で、血糖値のコントロールが良好だった女性は、そのうちの37%(596人)にとどまった。
    試験期間中の死産は63人(52人は先天異常なし)、新生児死亡は22人。死産率は、出生1000対26.8。周産期死亡率は出生1000対31.8(1型では31.7、2型では32.3)、新生児死亡は出生1000対9.3だった。これらの頻度を2002年の英国の一般妊婦集団のデータと比較したところ、年齢調整後の比率は、死産率4.7倍、周産期死亡率3.8倍、新生児死亡率2.6倍となった。
    大きな先天異常は109人に見られた。23人(21.1%)は2つ以上の障害を持っていた。有病率は出生1000対46、1型糖尿病では48、2型糖尿病では43だった。2002年の欧州先天異常調査で得られた通常の妊婦のデータとの比較では年齢調整後2.2倍となった。特に、神経管損傷(4.2倍)と先天性心疾患(3.4倍)の増加が著しかった。著者らは、神経管損傷を防ぐため、糖尿病の患者については、妊娠前からより高用量の葉酸の投与を考えるべきだと考えている。
    先天異常を持って生まれてきた109人中71人(65%)は、出生前に診断されていた。内訳は、先天性心疾患42人中23人(54.8%)、それ以外の異常37人中48人(71.6%)。先天性心疾患が出産前に診断できれば、周産期死亡を減らすことができるはずだ。
    周産期死亡率や先天異常の有病率は、糖尿病の母親から生まれた子供のほうが有意に高かった。母親が1型、2型のいずれの糖尿病でも、それらの頻度は同等だった。
    糖尿病の妊婦でも、血糖値を正常に近いレベルにコントロールできれば、先天異常リスクは減らせることが示されている。にもかかわらず、今回の集団で、血糖値管理が良好だった妊婦は、全体の37%にとどまっていた。
    2型糖尿病の妊婦には、貧しい地域に住む黒人や東洋人が多かった。したがって、妊娠前からこれらの地域の患者に対するケアを充実させるとともに、患者に対する教育を行う必要があると考えられた。著者らは、糖尿病患者の妊娠の転帰を向上させる最善の方法を見いだす研究が緊要だ、と述べている。

    本論文の原題は「Perinatal mortality and congenital anomalies in babies of women with type 1 or type 2 diabetes in England, Wales, and Northern Ireland: population based study」。

    アブストラクトは、
    http://www.bmj.com/cgi/content/abstract/333/7560/177
    で閲覧できる。
    (大西 淳子=医学ジャーナリスト)

     ==========

<AAP news 2007-018=20070602>

    2002.05.31
    【第59回日本産科婦人科学会学術講演会】
     メトホルミン服用妊婦では高乳酸症に注意

    22週以降に頻度上昇、18週までの中止が妥当か関連ジャンル:不妊症 | 出産 | 副作用 | 糖尿病
    メトホルミン(商品名:メルビンほか)を妊婦に投与すると、高頻度に血中乳酸値の上昇が認められることが明らかになった。調査を行ったのは、国立成育医療センター不妊診療科の黄木詩麗氏らで、第59回日本産科婦人科学会学術講演会で発表した。
    メトホルミンは、ビグアナイド系に分類される糖尿病治療薬だが、近年、インスリン抵抗性のある女性の“不妊症”の治療に有効とされ、主に欧米などで不妊症治療薬として使用されるようになっている。また継続投与により流産の頻度が減少するという報告もあり、妊娠後も継続して服用することを勧める向きもある。しかし、わが国では、“高乳酸血症”に起因する“乳酸アシドーシス”が起こる可能性があることから、“妊婦に対するメトホルミンの投与は禁忌”となっている。
    こうしたことから、不妊症患者および妊婦へのメトホルミン投与の是非については、不妊治療に携わる医師や産科医の間でもコンセンサスが得られていないのが現状だ。また妊婦が服用継続を希望した場合も、いつまで投与を続けるべきか、どのように副作用の管理を行うべきかといった点が明らかでなく、メトホルミン服用妊婦の経過や周産期管理に関する臨床データの集積が求められていた。
    今回の調査の対象は、国立成育医療センターでメトホルミン服用中に妊娠し、その後も服用を希望した妊婦で、2004年3月から2006年7月までに分娩した45人。妊娠中の母体の血中乳酸濃度を定期的に測定するとともに、妊娠糖尿病発症によるインスリン導入の状況や、低血糖症状の有無などを調べた。また、分娩後には新生児の臍帯血のガス分析も行った。
    調査の結果、高い乳酸値(17mg/dL超)を示した妊婦は16.8%で、妊娠22週以降では25%と高率で見られた。また、妊娠後に糖尿病を発症し、インスリン治療を開始してメトホルミン服用を中断した妊婦も15.6%に上り、メトホルミン服用が耐糖能の悪化を防ぐことはできないと考えられた。出生児における合併症の発生頻度は、一般的な出産の場合と同様だった。
    こうした結果から、調査を行った黄木氏は「やはりメトホルミンの長期投与には慎重さが必要。妊娠判明後もメトホルミンの服用を継続させるのであれば、血中乳酸値を測定する頻度を上げるなど、念入りに管理しなければならない」とアドバイスする。また、メトホルミンの服用を中止する時期については、「妊娠初期の18週までには中止するのが妥当なのではないか」という意見だ。
    なお、国立成育医療センターでは、メトホルミンを内服している女性が妊娠したら、不妊診療科から産科へ転科し、母性内科も併診するようになっている。そこで内服継続の意思を確認し、継続する場合は、17~18週と28~32週に75g経口ブドウ糖負荷試験を実施し、分娩後1カ月までフォロー。服用期間中に高乳酸血症や耐糖能異常などが見られたら、直ちにメトホルミンの投与を中止しているという。
    (和田 紀子=日経メディカル)

     ==========

<AAP news 2007-017=20070522>

    反復流産の新しい原因としての凝固系異常
    Thrombophilia as a Predictor of Recurrent Miscarriage J.S.O.G_Sep_2002_N423

     ==========

<AAP news 2007-016=20070511>

    Insulin dependant diabetes mellitus: implications for male reproductive function
    Hum. Reprod. Advance Access published online on May 3, 2007
    Human Reproduction, doi:10.1093/humrep/dem077

    BACKGROUND: Diabetes mellitus (DM) is increasing in men of reproductive age. Despite this, the prevalence of diabetes in men attending ertility clinics is largely unknown. Furthermore, studies examining the effects of DM on sperm fertility potential have been limited to ventional semen analysis.
    METHODS: Conventional semen analysis (semen volume, sperm count, motility and morphology) was performed for 27 diabetic (mean age 34 ± 2 years) and 29 non-diabetic subjects (control group, men undergoing routine infertility investigations, mean age 33 ± 1 years). Nuclear DNA (nDNA) fragmentation was assessed using the alkaline Comet assay and mitochondrial DNA (mtDNA) deletions by Long-PCR.
    RESULTS: Other than a small, but significant, reduction in semen volume in diabetic men (2.6 versus 3.3 ml; P < 0.05), conventional semen parameters did not differ significantly from control subjects. Diabetic subjects had significantly higher mean nDNA fragmentation (53 versus 32%; P < 0.0001) and median number of mtDNA deletions (4 versus 3; P < 0.05) compared with control subjects.
    CONCLUSIONS: Diabetes is associated with increased sperm nuclear and mtDNA damage that may impair the reproductive capability of these men.

    Key words: diabetes mellitus/sperm/DNA damage/male infertility/Comet assay

     ==========

    Interleukin-1 Receptor Antagonist in Type 2 Diabetes Mellitus
    N Engl J Med 2007; 356 : 1517 - 26 : Original Article.

    Background: The expression of interleukin-1?receptor antagonist is reduced in pancreatic islets of patients with type 2 diabetes mellitus, and high glucose concentrations induce the production of interleukin-1 in human pancreatic beta cells, leading to impaired insulin secretion, decreased cell proliferation, and apoptosis.
    Methods: In this double-blind, parallel-group trial involving 70 patients with type 2 diabetes, we randomly assigned 34 patients to receive 100 mg of anakinra (a recombinant human interleukin-1?receptor antagonist) subcutaneously once daily for 13 weeks and 36 patients to receive placebo. At baseline and at 13 weeks, all patients underwent an oral glucose-tolerance test, followed by an intravenous bolus of 0.3 g of glucose per kilogram of body weight, 0.5 mg of glucagon, and 5 g of arginine. In addition, 35 patients underwent a hyperinsulinemic?euglycemic clamp study. The primary end point was a change in the level of glycated hemoglobin, and secondary end points were changes in beta-cell function, insulin sensitivity, and inflammatory markers.
    Results: At 13 weeks, in the anakinra group, the glycated hemoglobin level was 0.46 percentage point lower than in the placebo group (P=0.03); C-peptide secretion was enhanced (P=0.05), and there were reductions in the ratio of proinsulin to insulin (P=0.005) and in levels of interleukin-6 (P<0.001) and C-reactive protein (P=0.002). Insulin resistance, insulin-regulated gene expression in skeletal muscle, serum adipokine levels, and the body-mass index were similar in the two study groups. Symptomatic hypoglycemia was not observed, and there were no apparent drug-related serious adverse events.
    Conclusions: The blockade of interleukin-1 with anakinra improved glycemia and beta-cell secretory function and reduced markers of systemic inflammation. (ClinicalTrials.gov number, NCT00303394 [ClinicalTrials.gov] .)

     ==========

<AAP news 2007-016=20070511>

    <mr3.comより転載>

    妊婦さん!もっと葉酸摂取を 緑黄色野菜や果物に多く胎児の発達に不可欠

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月22日】

    葉酸:妊婦さん!もっと摂取を 緑黄色野菜や果物に多く胎児の発達に不可欠 背骨や内臓が正常に発達せず、歩行困難などの症状が表れる神経管閉鎖障害を持って生まれる子どもの率が、日本では世界的に見て非常に高い。ビタミンの一種である葉酸の摂取量が妊婦に不足しているのが原因のひとつといわれる。危機感を抱いた専門家たちは4月3日を「葉酸の日」と決めた。これから赤ちゃんを産む女性に葉酸の大切さを知ってもらうのが狙いだ。【小島正美】

    ■大切さの認識不足
    葉酸はビタミンB群の一種。ホウレンソウやブロッコリー、イチゴなど緑黄色野菜や果物に多く含まれ、胎児の神経組織が発達していく際に必要な栄養素だ。妊娠前や妊娠初期に不足すると、無脳症になったり、背骨や内臓が正常に形成されずに歩行困難や排尿障害などが生じる二分脊椎(せきつい)という病気になるリスクが高くなる。
    二分脊椎の総合外来を設けている東京慈恵会医科大学脳神経外科の大井静雄教授は「米国政府などは葉酸の大切さを積極的にアピールしているが、日本ではその努力が足りない」と話し、葉酸の大切さが国民に浸透していないことが二分脊椎の増加の背景のひとつにあると指摘する。
    厚生労働省はこれから妊娠するか、妊娠した女性の場合、望ましい葉酸の摂取量を1日あたり約400マイクログラムとしている。ところが、女子大学生の摂取量は半分以上が200マイクログラム以下(ビタミン広報センター)という報告もある。

    ■鉄分なども少なく
    国立保健医療科学院生涯保健部の瀧本秀美・母子保健室長が産科外来に通院中の妊婦79人を調べたところ、葉酸の平均摂取量は妊娠初期で314マイクログラムと望ましい量に達していなかった。瀧本さんは「鉄分やカルシウムの摂取量も少なかった。妊娠中なのに喫煙者が約2割もいたのには驚いた」と胎児への栄養配慮が欠けている現状を危惧(きぐ)する。
    日本では体重が2500グラム未満で生まれる低体重出生児の出生比率が約9%(04年)と増加傾向にある。妊婦がバランスのよい食事を取っていないことが原因でもあり、葉酸不足もこうした食事スタイルを反映したものだ。神経管閉鎖障害が増えている状況に危機感を抱いた大井教授らは、このほど「葉酸と母子の健康を考える会」を組織、葉酸の大切さを啓発する活動を始めた。

    ■米では各種食品発売
    米国では葉酸が添加されたシリアル食品やヨーグルトなどが売られている。日本では医薬品と食品の研究開発を進めるファーマフーズ(京都市)の開発で1個あたり約70マイクログラムの葉酸を含む卵が誕生、流通し始めた。ドラッグストアでは葉酸のサプリメントも売られているが、今後、米国並みに葉酸を含む加工食品が出てきそうだ。
    大井教授は「積極的な葉酸摂取で神経管閉鎖障害は減らせる。政府や母子医療の現場での認識はまだ低い」と葉酸の大切さを訴えている。

    ……………………………………………………………………………
    ◇野菜・果物に含まれる葉酸量
    (葉酸の含有量単位はマイクログラム)

    ( 1)からし菜   1本(50グラム) 155
    ( 2)ホウレンソウ 2株(60グラム) 126
    ( 3)アスパラガス 3本(60グラム) 114
    ( 4)春菊     3株(60グラム) 114
    ( 5)ブロッコリー 2房(50グラム) 105
    ( 6)アボカド   半個         84
    ( 7)マンゴー   半個         76
    ( 8)イチゴ    5個         68
    ( 9)パパイヤ   半個         57
    (10)オレンジ  1個         44

    ※1マイクログラムは100万分の1グラム。動物では牛や豚、鶏のレバーにも50グラムあたり500マイクログラム前後含まれる。納豆にも多い(厚生労働省調べ)

    ==========

    Homocysteine levels in women with polycystic ovary syndrome treated with metformin versus rosiglitazone: a randomized study.

    BACKGROUND: Elevated levels of plasma homocysteine (Hcy) have been implicated as a significant risk factor for cardiovascular disease. Although long-term treatment with metformin can increase Hcy levels in patients with type II diabetes mellitus or coronary heart disease, it is becoming an increasingly accepted and widespread medication in polycystic ovary syndrome (PCOS). In the literature, only one study has demonstrated that metformin increases Hcy levels in PCOS patients, but the effect of other insulin sensitizers on Hcy levels have not been reported previously in women with PCOS. We aimed to assess the effects of metformin and rosiglitazone on plasma Hcy levels in patients with PCOS.
    METHODS: Thirty women were randomized to two groups: 15 women in group 1 received 850 mg of metformin twice daily for 3 months. In group 2, 15 women received 4 mg of rosiglitazone for 3 months. In both groups, body mass index, menstrual pattern, and plasma total Hcy, insulin, glucose and lipid metabolism parameters were recorded at baseline and at 3 months.
    RESULTS: Hcy levels increased from 8.93+/-0.49 to 11.26+/-0.86 micromol/l (P = 0.002) and from 10.70+/-0.86 to 12.36+/-0.81 micromol/l (P = 0.01) in the metformin and rosiglitazone groups, respectively. Apolipoprotein (Apo) A1 levels increased from 127.10+/-6.85 to 145.7+/-7.18 mg/dl (P = 0.018) in the metformin group. Total cholesterol (total-C), high-density lipoprotein cholesterol (HDL-C), low-density lipoprotein cholesterol (LDL-C), lipoprotein (a) and Apo B levels decreased in the metformin group, but the change was not significant. Total-C levels decreased from 161.15+/-8.94 to 150.23+/-8.73 mg/dl (P = 0.026), HDL-C decreased from 43.13+/-2.65 to 39.15+/-2.52 mg/dl (P = 0.005) and LDL-C levels decreased from 93.83+/-6.06 to 80.7+/-2.30 mg/dl (P = 0.021) in the rosiglitazone group.
    CONCLUSION: Treatment with insulin sensitizers in women with PCOS may lead to increases in Hcy levels.

    PMID: 15618250 [PubMed - indexed for MEDLINE]

    Related Links
    The effects of rosiglitazone and metformin on oxidative stress and homocysteine levels in lean patients with polycystic ovary syndrome. [Hum Reprod. 2005] PMID: 16123091 Metformin-pioglitazone and metformin-rosiglitazone effects on non-conventional cardiovascular risk factors plasma level in type 2 diabetic patients with metabolic syndrome. [J Clin Pharm Ther. 2006] PMID: 16882108
    Levels of lipoprotein and homocysteine in non-obese and obese patients with polycystic ovary syndrome. [Gynecol Endocrinol. 2005] PMID: 16019370
    Metabolic effects of pioglitazone and rosiglitazone in patients with diabetes and metabolic syndrome treated with glimepiride: a twelve-month, multicenter, double-blind, randomized, controlled, parallel-group trial. [Clin Ther. 2004] PMID: 15220018
    Administration of B-group vitamins reduces circulating homocysteine in polycystic ovarian syndrome patients treated with metformin: a randomized trial. [Hum Reprod. 2005] PMID: 15790610

    ==========

    Insulin resistance in patients with polycystic ovary syndrome is associated with elevated plasma homocysteine.

    Hum Reprod. 2003 Apr;18(4):721-7.

    BACKGROUND: Elevated levels of plasma homocysteine have recently been implicated as a significant risk factor for cardiovascular disease, pre-eclampsia, and recurrent pregnancy loss, and have been found to be associated with insulin resistance in a number of clinical situations. We examined the relationship between plasma homocysteine and insulin resistance in patients with polycystic ovary syndrome (PCOS).
    METHODS: A total of 155 infertile patients with PCOS as defined by clinical, biochemical and ultrasound criteria were screened for insulin resistance utilizing single-sample fasting insulin and glucose measurement, calculated by glucose:insulin ratio or homeostasis model assessment (HOMA) index. Total plasma homocysteine was measured by fluorescence polarization immunoassay. One hundred normo-ovulatory women with normal ovaries being treated for other infertility diagnoses served as a control group.
    RESULTS: Insulin resistance was found in the majority of PCOS patients: -53.5% (83/155), 60.6% (94/155) and 65.8% (102/155), when defined by fasting insulin, glucose:insulin ratio, or logHOMA respectively. Mean plasma homocysteine in the PCOS group was significantly higher than in the normal ovary group (11.5 +/- 7.4 versus 7.4 +/- 2.1 micromol/l, P < 0.001). Insulin-resistant PCOS patients had significantly higher plasma homocysteine (12.4 +/- 8.4 micromol/l) than non-insulin-resistant PCOS patients (9.6 +/- 4.4 micromol/l) regardless of body mass index (P = 0.003 by groups, P = 0.005 by correlation of single samples). Thirty-four per cent (53/155) of the PCO patients had homocysteine values >95th percentile of the controls (11.0 micromol/l, P < 0.0001). Statistically significant correlations were found between all insulin resistance indices and homocysteine levels. Multiple logistic regression defined insulin resistance as the major factor examined that influenced homocysteine levels.
    CONCLUSIONS: Insulin resistance and hyperinsulinaemia in patients with PCOS is associated with elevated plasma homocysteine, regardless of body weight. This finding may have important implications in the short term regarding reproductive performance, and in the long term regarding cardiovascular complications associated with insulin-resistant PCOS.

    PMID: 12660262 [PubMed - indexed for MEDLINE]

    Related Links
    Plasma homocysteine levels in polycystic ovary syndrome and congenital adrenal hyperplasia. [Endocr J. 2004] PMID: 15644580
    The effects of rosiglitazone and metformin on oxidative stress and homocysteine levels in lean patients with polycystic ovary syndrome. [Hum Reprod. 2005] PMID: 16123091 Adiponectin is independently associated with insulin sensitivity in women with polycystic ovary syndrome. [Clin Endocrinol (Oxf). 2004] PMID: 15579189
    Polycystic ovarian syndrome and insulin resistance in white and Mexican American women: a comparison of two distinct populations. [Am J Obstet Gynecol. 2002] PMID: 12439532

    ==========

    The plasma homocysteine levels are increased in polycystic ovary syndrome.

    Gynecol Obstet Invest. 2002;53(3):157-62.

    Women with polycystic ovary syndrome (PCOS) have several cardiovascular disease risk factors. Since hyperhomocysteinemia is associated with early atherosclerosis, it was postulated that the homocysteine levels are higher in PCOS patients than in control subjects which, therefore, may explain the cardiovascular disease risk. Thirty-five women with PCOS and 20 healthy subjects were studied. Endocrine assays, lipid profile, homocysteine and insulin level determinations, and ultrasound evaluation were performed in all subjects. We found significantly higher mean plasma homocysteine concentrations in patients with PCOS as compared with controls (10.4 +/- 4.4 vs. 7.2 +/- 1.5 ng/dl; p < 0.003). These data show that in PCOS early atherosclerosis is not exclusively dependent on hyperinsulinemia and elevated lipid profile - PCOS patients are exposed to significantly higher homocysteine levels which might increase the cardiovascular disease risk. Copyright 2002 S. Karger AG, Basel

    ==========
<AAP news 2007-014=20070420>
    <mr3.comより転載>
    妊婦さん!もっと葉酸摂取を 緑黄色野菜や果物に多く胎児の発達に不可欠

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月19日】

    卵子提供:「前向き」25% 希望報酬、平均は40万円----厚労省初調査

    不妊の女性が他の女性から卵子の提供を受けて妊娠・出産を目指す治療について、厚生労働省の研究班(主任研究者=吉村泰典・慶応大教授)が実施した国内初の意識調査の結果がまとまった。「卵子を提供してもよい」「どちらかといえば提供してもよい」と答えた女性が4分の1を超えた。卵子提供にあたり金銭など何らかの報酬を求めた女性は全体の46・5%。具体的な希望報酬額で最も回答が多かったのは10万円、極端に高額な希望を除いた平均は約40万円だった。
    調査は昨年12月、全国から選んだ20-34歳の一般女性3744人にインターネットで調査票を送り、517人から回答を得た。国内での卵子提供による不妊治療の実施については、52・6%が肯定的な答えだった。
    卵子提供に肯定的だったのは25・8%、「提供したくない」など否定的な答えは42・9%だった。肯定的な理由で最も多かったのは「不妊夫婦の役に立ちたい」、否定的な理由で多かったのは「遺伝子を引き継ぐ子の誕生への抵抗感」「家族の関係が複雑になる」だった。
    報酬に関しては、「どんな報酬があっても提供しない」が34・6%だった一方、「金銭報酬があるなら提供してもよい」が24・6%、「税控除など優遇措置があれば提供してもよい」が21・9%。「無償で提供してもよい」は15・1%にとどまった。
    卵子提供で生まれた子との関係については、「生まれた子は事実を知らされない方がよい」が45・5%に達したものの、匿名や実名での子どもとの接触を容認する人が1潤オ2割いた。また、生まれた子が卵子提供者がだれかを知る可能性があると分かった場合でも、「提供してもよい」という人が28・2%いた。
    調査を実施した朝倉寛之・扇町レディースクリニック院長は「採卵時に副作用の可能性があるほか、1カ月以上自由を制約されるため、提供者の確保には何らかの対価が必要と考えられる」と話す。【永山悦子】

    ==========

    <mr3.comより転載>
    卵子提供・厚労省初調査 解説

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月19日】

    解説:卵子提供・厚労省初調査 報酬など国に宿題

    加齢や病気で妻の卵巣が機能不全になった場合、他の女性から卵子の提供を受け、夫の精子と体外受精し、その受精卵を妻の子宮に戻す不妊治療が考えられる。この治療は国内では認められていない。厚生労働省の生殖補助医療部会は03年、容認する報告書をとりまとめたが、4年たった今も制度化は進んでいない。
    調査は昨年12月、全国から選んだ20-34歳の一般女性3744人にインターネットで調査票を送り、517人から回答を得た。国内での卵子提供による不妊治療の実施については、52・6%が肯定的な答えだった。
    卵子提供をめぐっては、採卵時の副作用や時間的拘束に注目が集まりがちだが、提供女性が直面するであろう提供相手との関係を心理面からどうサポートするかが、運用では課題になる。
    報告書は、卵子提供の際は提供者は匿名とするが、生まれた子が15歳になった段階で「出自を知る権利」を認めた。同省研究班の意識調査でも、提供相手の夫婦や生まれた子との関係で、何らかの情報開示や接触を容認するという人が多かった。卵子提供時点にとどまらない長期的な支援体制の整備が不可欠なことを明確に示している。
    また、報告書は実費以外は無償の提供を条件とした。しかし、意識調査では、提供に前向きな女性に限ってみると、3分の2が何らかの報酬を求めた。研究班は「金もうけではなく、採卵に伴う拘束への対価と考えれば、もっともな要望といえる」と分析、再検討が必要になるかもしれない。
    日本学術会議は、「代理出産」に関する検討を始めた。だが、卵子や精子の提供に関しては具体的な検討の見通しはない。今回の調査結果は、制度運用にあたって多くの準備や検討の必要性を示しており、国が明確な方針を示すことが求められる。【永山悦子】

    ==========

<AAP news 2007-013=20070416>

    <mr3.comより転載>
    女性の抑うつ症状はメタボリックシンドロームのリスクと関連

    提供:Medscape

    プロスペクティブ(前向き)コホート研究において、高レベルの抑うつ症状を有した中年女性はメタボリックシンドロームを発症するリスクが高かった
    Laurie Barclay, MD
    Medscape Medical News

    【4月4日】高レベルの抑うつ症状を有する女性はメタボリックシンドロームを発症するリスクが高いことを示すプロスペクティブ(前向き)コホート研究の結果が、『Diabetes Care』4月号で報告された。
    「多くの文献において、心理社会的特性およびストレスの多い事象によって、CVD[心血管疾患]および2型糖尿病の発生を予測できることが示唆されている」と、ヘルシンキ大学(フィンランド)のKatri Raikkonen, PhDらは論文で述べている。「心理社会的因子が何らかの作用をしているとするのが妥当であるにもかかわらず、それらによってメタボリックシンドロームの予測もできるかどうかについて検討することを目的とした研究はわずかしかない。我々は、心臓血管疾患および2型糖尿病に関連する心理社会的因子によって、メタボリックシンドロームのリスクを前向きに予測できるかどうかを、このシンドロームの定義に利用可能な異なる臨床基準を用いて評価した」。
    被験者は、地域住民を対象にした前向きコホート研究であるHealthy Women Studyに登録され、ベースラインから平均15年間にわたり追跡調査を受けた。メタボリックシンドロームは、世界保健機関(WHO)の基準、全米コレステロール教育プログラム成人治療委員会III(ATP III)の基準、および国際糖尿病連合(IDF)の臨床基準を用いて定義した。
    ベースラインにおいてメタボリックシンドロームが認められなかった女性の場合、これら3種類の基準によって定義したメタボリックシンドロームのリスクは、より重症の抑うつ症状または非常にストレスの多い生活上の事象に関連して、1.21-2.12倍(95%信頼区間[CI]、1.00-4.25;P<0.05)の変化を示した。同じくベースラインにおいて、怒り、緊張、ストレスを頻繁に強く感じることがあると報告した女性も、少なくとも1つの定義に基づいたメタボリックシンドロームの発症リスクが高かった(相対リスク1.19-1.66;95%CI、1.00-2.39)。
    「これらは、心理社会的因子によって、複数の定義に基づいたメタボリックシンドロームの発症リスクを予測できることを実証する、最初のデータである」と著者らは述べている。「心理社会的因子は、メタボリックシンドロームにつながる一連の事象において原因として作用している」。
    この研究の限界には、非白人女性、男性、および健康状態が低下した人々への一般化が不可能であることが含まれる。
    「我々は、中年の健康な女性において、抑うつ症状、非常にストレスの多い生活上の事象、頻繁に激しい怒りおよび緊張を感じること、およびストレスが、15年間におけるメタボリックシンドロームの累積有病率および発症リスクと関連することを見出した」と著者らは結論づけている。「WHO、ATP IIIおよびIDFによる異なる臨床定義の点に関しては、抑うつ症状および非常にストレスの多い生活上の事象が、すべての定義を通して、最も一貫してメタボリックシンドロームとの関連が認められる」。
    米国立衛生研究所(NIH)が本研究を支援した。
    Diabetes Care. 2007;30:872-877.
    Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    ES細胞の種類、増加へ

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月04日】

    文部科学省の専門委員会(主査・豊島久真男(とよしま・くまお)理化学研究所研究顧問)は3日、人体のあらゆる細胞に成長できる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の種類を増やすため、ES細胞のもととなる受精卵の提供施設を追加する京都大再生医科学研究所の計画を承認した。現在の3種類に加え、新たに10種類ほど増やしたい考え。
    同研究所の中辻憲夫(なかつじ・のりお)所長は「ES細胞にはそれぞれ個性があり、信頼できる研究には十数種類を比べることが必要」としている。将来の臨床応用をにらみ、ES細胞の培養に動物成分を使わない手法の開発も目指す。
    新たな提供施設は広島市の「広島HARTクリニック」(高橋克彦(たかはし・かつひこ)院長)。不妊治療で余った受精卵を、胚盤(はいばん)胞と呼ばれる段階まで育てた状態で、二百数十個凍結保存しているという。

    ==========

    ③<mr3.comより転載>

    ES細胞の種類、増加へ

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月05日】

    脊椎(せきつい)動物の未受精卵は成熟すると受精を待つために細胞分裂を停止させるが、この仕組みを解明することに佐方功幸(さがた・のりゆき)九州大大学院教授(分子生物学)らと科学技術振興機構などの研究グループが成功し、英科学誌ネイチャー(電子版)に4日、発表した。
    卵細胞の分裂を停止させる役割を担うタンパク質は、人の不妊や卵巣がんにも関係している可能性があるといい、将来、予防や治療法の開発につながることが期待される。
    佐方教授らは、卵細胞が大きいアフリカツメガエルの卵を使い、卵細胞が成熟する過程で関与するタンパク質の反応の経路などを研究。
    Mosというタンパク質のリン酸化と呼ばれる反応をきっかけに、リン酸化が別のタンパク質に次々と受け継がれ、最後にErp1というタンパク質がリン酸化。これが卵細胞の中で細胞分裂を促すタンパク質の複合体と結合し、卵細胞の分裂を停止させることを突き止めた。
    受精後は卵細胞からMosとErp1が消滅し、再び細胞分裂が起こるという。

    ==========

<AAP news 2007-012=20070407>

     Vitamins and Perinatal Outcomes among HIV-Negative Women in Tanzania

    New England Journal of Medicine 2007; 356: 1423-1431

    ABSTRACT

    Background Prematurity and low birth weight are associated with high perinatal and infant mortality, especially in developing countries. Maternal micronutrient deficiencies may contribute to these adverse outcomes.
    Methods In a double-blind trial in Dar es Salaam, Tanzania, we randomly assigned 8468 pregnant women (gestational age of fetus, 12 to 27 weeks) who were negative for human immunodeficiency virus infection to receive daily multivitamins (including multiples of the recommended dietary allowance) or placebo. All the women received prenatal supplemental iron and folic acid. The primary outcomes were low birth weight (<2500 g), prematurity, and fetal death.
    Results The incidence of low birth weight was 7.8% among the infants in the multivitamin group and 9.4% among those in the placebo group (relative risk, 0.82; 95% confidence interval [CI], 0.70 to 0.95; P=0.01). The mean difference in birth weight between the groups was modest (67 g, P<0.001). The rates of prematurity were 16.9% in the multivitamin group and 16.7% in the placebo group (relative risk, 1.01; 95% CI, 0.91 to 1.11; P=0.87), and the rates of fetal death were 4.3% and 5.0%, respectively (relative risk, 0.87; 95% CI, 0.72 to 1.05; P=0.15). Supplementation reduced both the risk of a birth size that was small for gestational age (<10th percentile; 10.7% in the multivitamin group vs. 13.6% in the placebo group; relative risk, 0.77; 95% CI, 0.68 to 0.87; P<0.001) and the risk of maternal anemia (hemoglobin level, <11 g per deciliter; relative risk, 0.88; 95% CI, 0.80 to 0.97; P=0.01), although the difference in the mean hemoglobin levels between the groups was small (0.2 g per deciliter, P<0.001).
    Conclusions Multivitamin supplementation reduced the incidence of low birth weight and small-for-gestational-age births but had no significant effects on prematurity or fetal death. Multivitamins should be considered for all pregnant women in developing countries. (ClinicalTrials.gov number, NCT00197548 [ClinicalTrials.gov] .)

    Source Information
    From the Departments of Nutrition (W.W.F., P.P., W.C.W.), Epidemiology (W.W.F., E.H., W.C.W., D.S.), and Biostatistics (D.S.), Harvard School of Public Health, Boston; and the Departments of Community Health (G.I.M.) and Microbiology and Immunology (W.U.), Muhimbili University College of Health Sciences, Dar es Salaam, Tanzania.
    Address reprint requests to Dr. Fawzi at the Department of Nutrition, Harvard School of Public Health, 665 Huntington Ave., Boston, MA 02115

     ==========

    ②<mr3.comより転載>
    トランス脂肪と心疾患リスクには「強い」関連性

    提供:WebMD

    提供:共同通信社

    Reviewed By Louise Chang, MD提供:共同通信社

    【2007年03月26日】

    動脈を閉塞させるトランス脂肪がやがて心疾患につながることを示す非常に強力なエビデンスが報告された。女性看護師を対象とした研究において、保存検体中の赤血球におけるトランス脂肪濃度が最高群の女性はトランス脂肪濃度が最低群の女性に比べて心疾患を発現するリスクが3倍であることが認められた。
    トランス脂肪濃度が高いほど「悪玉」LDLコレステロール濃度は高く、「善玉」HDLコレステロール濃度は低かった。
    しかし、これだけでは心疾患リスクに対するトランス脂肪の影響を完全には説明できない、と同研究の研究者らは述べている。「他の機序が関与していることは確実と思われるものの、我々はコレステロールを調べることしかできていない」とハーバード大学公衆衛生学部のFrank B. Hu, MD, PhDは述べている。
    「この研究は、トランス脂肪が冠動脈性心疾患の非常に強力なリスク因子であることを示しており、米国人の食事からトランス脂肪をなくす現在の取り組みが正当であることを示すのに有効である」。
    トランス脂肪の禁止こうした取り組みとしては、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴなど主要都市のレストランの食べ物におけるトランス脂肪の使用禁止や使用禁止の検討のほか、増加するファーストフードレストランのチェーン店からトランス脂肪を含まない製品に変更するとの誓約を得ることがある。
    トランス脂肪は、液体の植物性油脂が水素化といわれる過程により固体に変換される際に生成される。水素化油脂または部分水素化油脂は食品の品質保持期限の延長や食感の改善のために使用されている。
    トランス脂肪が含まれている可能性が最も高いのは、揚げ物、植物性ショートニング、ハードマーガリン、クッキー、クラッカー、焼き菓子、ポテトチップである。
    新たに発表されたこの研究では、より大規模なNurses' Health Studyに参加している女性32,826例を対象とした。この研究は、被験女性を1976年以来追跡調査し、そのライフスタイルと疾患リスクを検討している進行中の試験である。
    このトランス脂肪研究では、1989年から1990年の間に被験女性全例の血液検体を採取した。追跡調査の6年間に、被験女性のうち166例が冠動脈性心疾患を発現した。同研究では、これらの女性の保存血液検体中トランス脂肪濃度を、心疾患を発現しなかった女性327例と比較した。年齢、喫煙状況といった既知の心疾患リスク因子について補正したところ、赤血球中の全トランス脂質濃度の上昇は心疾患リスクの上昇と関連することが認められた。血中トランス脂質濃度が最高群の女性は同濃度が最低群の女性に比べて冠動脈性心疾患を3倍発現しやすかった。
    この研究は女性のみを対象としたものであるが、男性ではこのリスクが異なると考える理由はない、とHu博士は述べている。この研究は米国心臓病協会(AHA)誌『Circulation』4月10日号に発表される予定である。
    善玉脂肪と悪玉脂肪米国心臓病協会(AHA)は、トランス脂肪を摂取する全カロリーの1%以下、飽和脂肪を全カロリーの7%未満に制限することを推奨している。
    飽和脂肪も、全コレステロール濃度と悪玉LDL濃度を上昇させるので、好ましくない。トランス脂肪は飽和脂肪より危険であると示唆するむきもあるが、両者とも心疾患のリスク上昇を伴う、とAHA前会長Robert Eckel, MDは話している。食べ物における主要な飽和脂肪源は獣肉、鶏肉、全脂乳製品、バターである。パーム油脂やココナツ油脂などの熱帯地方の油脂も飽和脂肪の含有量が多い。
    より良い脂肪の摂取源は、ナッツ類、魚、オリーブ油、ほとんどの他の液体の植物性油脂といった一価不飽和脂肪や多価不飽和脂肪である、とEckel博士は話している。「トランス脂肪を飽和脂肪に置き換えてもほとんど意味がない」とEckel博士はWebMDに述べている。
    「できる限りトランス脂肪を避けるべきであり、より健康に良い脂質を選択すべきである」米国人の食べ物からトランス脂肪をなくしたり減らしたりする運動は米国人集団全体に良い影響を及ぼすにちがいない、とHu博士は付け加えている。
    「米国の食事において部分水素化油脂などのトランス脂肪の使用をやめることは(飽和脂肪の摂取量が増加しない限り)心血管疾患の負担を軽減するのに有効な可能性がある」とHu博士は述べている。

    ==========

    ③<mr3.comより転載>
    ES細胞の種類、増加へ

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月04日】

    文部科学省の専門委員会(主査・豊島久真男(とよしま・くまお)理化学研究所研究顧問)は3日、人体のあらゆる細胞に成長できる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の種類を増やすため、ES細胞のもととなる受精卵の提供施設を追加する京都大再生医科学研究所の計画を承認した。現在の3種類に加え、新たに10種類ほど増やしたい考え。
    同研究所の中辻憲夫(なかつじ・のりお)所長は「ES細胞にはそれぞれ個性があり、信頼できる研究には十数種類を比べることが必要」としている。将来の臨床応用をにらみ、ES細胞の培養に動物成分を使わない手法の開発も目指す。
    新たな提供施設は広島市の「広島HARTクリニック」(高橋克彦(たかはし・かつひこ)院長)。不妊治療で余った受精卵を、胚盤(はいばん)胞と呼ばれる段階まで育てた状態で、二百数十個凍結保存しているという。

    ==========

    ④<mr3.comより転載>
    卵細胞の分裂停止を解明 脊椎動物で、九大など

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年04月05日】

    脊椎(せきつい)動物の未受精卵は成熟すると受精を待つために細胞分裂を停止させるが、この仕組みを解明することに佐方功幸(さがた・のりゆき)九州大大学院教授(分子生物学)らと科学技術振興機構などの研究グループが成功し、英科学誌ネイチャー(電子版)に4日、発表した。
    卵細胞の分裂を停止させる役割を担うタンパク質は、人の不妊や卵巣がんにも関係している可能性があるといい、将来、予防や治療法の開発につながることが期待される。
    佐方教授らは、卵細胞が大きいアフリカツメガエルの卵を使い、卵細胞が成熟する過程で関与するタンパク質の反応の経路などを研究。
    Mosというタンパク質のリン酸化と呼ばれる反応をきっかけに、リン酸化が別のタンパク質に次々と受け継がれ、最後にErp1というタンパク質がリン酸化。これが卵細胞の中で細胞分裂を促すタンパク質の複合体と結合し、卵細胞の分裂を停止させることを突き止めた。
    受精後は卵細胞からMosとErp1が消滅し、再び細胞分裂が起こるという。

    ==========

<AAP news 2007-011=20070401>

    ①<mr3.comより転載>
    Blastocyst embryo transfer is associated with a sex-ratio imbalance in favor of male offspring

    Received 14 March 2006; received in revised form 29 June 2006; accepted 29 June 2006 published online 21 November 2006.
    Volume 87, Issue 3, Pages 519-523 (March 2007)

    Objective
    To evaluate the sex ratio of offspring born after blastocyst transfers.
    Design
    Retrospective data analysis.
    Setting
    A large assisted reproductive technology center.
    Patient(s)
    We included 1,284 offspring from 937 deliveries during the period August 2003?August 2005.
    Intervention(s)
    Tabulation and statistical analysis of all births resulting from fresh IVF cycles. The sex of resulting offspring was compared in both day 3 and blastocyst transfers for all births and for singleton deliveries. In addition, the sex of children conceived with the use of autologous oocytes and donor oocytes was evaluated.
    Main Outcome Measure
    Sex ratio of offspring born following embryo transfers (ETs) after day 3 of culture and sequential blastocycst culture.
    Result(s)
    The overall sex ratio was significantly shifted toward males when blastocyst transfers were performed. Blastocyst transfers with only the use of autologous oocytes resulted again in a significantly higher proportion of male offspring. An even greater proportional difference was encountered in singleton offspring from donor oocytes. However, significance was not reached because of the limited number of offspring in the subgroup.
    Conclusion(s)
    This is the first individual-center report of a significant sex-ratio imbalance after the sequential media culture of blastocysts. The large imbalance in singleton births associated with the use of donor oocytes, although not significant, is cautionary in regard to the use of elective single ETs. Observation and publication of phenomena such as the effects of extended culture on the sex ratio of live-borns will allow us a better understanding of early differences in sexual dimorphism of the embryo, and will allow us to counsel our patients more appropriately.

    PII: S0015-0282(06)04014-3
    doi:10.1016/j.fertnstert.2006.06.058

     ==========

    ②<mr3.comより転載>
    第3の双子"を確認 1つの卵子に2つの精子

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年03月27日】

    【ワシントン26日共同】1つの卵子に2つの精子が受精して生まれたとみられる「準一卵性双生児」ともいうべき珍しい双子の存在を米英の研究者が確認したと、英科学誌ネイチャー(電子版)が26日、報じた。
    世界で初の報告例とみられ、研究者は「(一卵性、二卵性といった)現在の双子の分類は単純化しすぎなのかも知れない」と驚いている。
    この双子は数年前に米国で誕生。出生時に外性器異常があったことがきっかけで確認された。1人は卵巣と睾丸(こうがん)がある両性具有、もう1人は男性器だけがある。
    遺伝子を解析した結果、2人とも、2つのX染色体をもつ女性の細胞と、XとYの染色体をもつ男性の細胞が身体に混在する「キメラ」であることが分かった。
    受精後は卵細胞からMosとErp1が消滅し、再び細胞分裂が起こるという。
    1つの卵子に2つの精子が融合するケースは受精全体の1%程度あると考えられているが、出産にまで成長するのは極めてまれとされる。今回は受精後に分離して2つの胚(はい)になったとみられる。
    体外受精や人工授精などの生殖補助技術は使っていない。2人とも健康に育っているという。
    一卵性双生児は受精卵が初期段階で2つに分離した場合に、二卵性双生児は2つの卵子にそれぞれ1つの精子が受精した場合に誕生する。

    ==========

<AAP news 2007-010=20070324>

    ①<mr3.comより転載>
    アルツハイマー病>発症原因の一つ解明 佐賀女子短大教授

    3月5日10時11分配信 毎日新聞

    佐賀女子短大(佐賀市)の長谷川亨教授(61)=公衆衛生学=が4日、アルツハイマー病が高齢者に多く発症するメカニズムの一つを解明したと明らかにした。老化によって神経細胞の働きが抑制されると、同病を引き起こす物質「ホモシステイン酸」が脳の神経細胞死を招く働きをすることを実験で示した。発症の仕組みが明確になっていない同病の治療に役立てたい考えで、研究成果は、6月に米国で開かれる認知症予防の国際会議で発表する。
    長谷川教授は05年にホモシステイン酸の有害な働きを初めて特定。今回の実験では老化との関係を分析した。老化が進み、神経細胞の働きが弱くなると、ホモシステイン酸が細胞内に有害物質を蓄積させ、別の原因物質と組み合わされることで細胞死することが分かった。若い世代では、ホモシステイン酸があっても、有害物質が蓄積されていないので、神経細胞死までは起きないという。
    長谷川教授によると、喪失体験やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの強いストレスがアルツハイマー病の危険因子とされており、ホモシステイン酸はそのようなストレスが持続的に続いた際に増える。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    肥満のカップルで妊娠率低下のリスク

    提供:WebMD

    研究でパートナー両方の体重が妊娠に影響を及ぼす可能性が示される

    Reviewed By Louise Chang, MD

    【2007年03月07日】

    妊娠を試みるカップルが男女ともに体重超過または肥満である場合、通常よりも妊娠が困難である可能性があることが新たな研究で示唆されている。
    デンマークの研究に参加した肥満のカップルでは、妊娠が成立するまでに1年以上を要する割合が正常体重のカップルと比較してほぼ3倍高かった。
    以前の研究で、体重が女性の妊娠率に影響を及ぼす可能性があることが示されたが、このデンマークの研究ではカップルの体重超過または肥満の影響がはじめて検討された。
    今回の知見からパートナー両者の体重超過と妊娠率低下との因果関係が強力に示唆されるが、証明されたわけではないと研究者のCecilia Ramlau-Hansen氏はWebMDに語る。
    「研究デザインのために、余分な体脂肪によって妊娠率が低下すると断言することはできないが、確かにおそらくそのような状況なのだろう」とRamlau-Hansenは述べる。「体重超過で、子供を望むカップルは2人揃って減量を試みることが有益であるかもしれない」。

    体重減量によって妊娠までの期間が短くなる
    研究者らは、デンマークにおける妊娠結果に関する全国的研究に参加したカップル47,835組のデータを分析した。研究に参加した女性を対象として、2年間にわたり4回の面接が実施され、自分自身とそのパートナーの体重、身長、妊娠歴、喫煙、社会経済的地位についての情報が収集された。
    この知見は雑誌『Human Reproduction』3月号に公表されている。
    全体で本研究に参加した女性の8.2%、男性の6.8%、カップルの1.4%が肥満であった。肥満の定義は肥満度指数(BMI)30以上とされた。BMIは身長に対する体重の割合に注目したもので、体脂肪の指標として用いられる。
    BMIで評価した場合、5フィート2インチ(約157.5cm)で体重が165ポンド(約74.8kg)以上の人は肥満とみなされ、同様に6フィート(約182.9cm)の人は220ポンド(99.8kg)以上で肥満とみなされる。

    本研究では男性の半数超および女性の3分の2が正常体重であった。
    オーフス大学(デンマーク)のRamlau-Hansen氏らは、カップルが妊娠するまでの期間を評価した。生殖能力低下(sub-fertility)とは、妊娠を目的として避妊手段をとらない性交を開始してから1年以上妊娠が成立しない場合と定義された。
    肥満の女性では生殖能力低下リスクが正常体重の女性よりも78%高く、肥満男性では生殖能力低下リスクが正常体重の男性よりも49%高かった。
    パートナーが両者とも肥満である場合、妊娠成立までに1年以上要するリスクは正常体重のカップルと比べ2.74倍高かった。
    研究者らはさらに2回以上妊娠したカップル2,374組について検討した。女性が妊娠するまでに要した時間の長さを日数に換算した場合、体重超過または肥満女性では2.2ポンド(約1kg)の体重低下ごとに妊娠までの期間が平均5.5日短くなると研究者らは結論した。

    体重が重い男性ほど性交の回数が少ない
    男性の場合はその影響は小さいが、男女とも体重低下によって妊娠率が上昇するという指摘は、公衆衛生上、重要な意味があるかもしれないと疫学者である米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のDonna Baird, PhDは述べる。
    Baird博士は、男性における肥満と不妊症との関連を示した2006 NIEHS studyの共同著者であり、この研究では、3単位のBMIの増加によって不妊症のリスクが約10%上昇すると結論された。
    少なくとも別の1つの研究でも、男性の肥満と精子の質の低下との関連が明らかにされている。しかし、男性における体重と不妊症との関連を確かめるにはさらなる研究が必要であるとBaird博士は述べる。
    またBaird博士は、体重超過および肥満の男性における生殖能力の低下は精子の質よりも性機能によるところが大きい可能性があると付言する。
    「まだわれわれの知らないことがたくさんある」とBaird博士はWebMDに語る。「男性の性交頻度に関するデータはなかったが、肥満が確かに性機能に影響を及ぼすことはわかっている。例えば、性欲減退と勃起機能不全は肥満男性にはるかに多い」。

    Ramlau-Hansen, C.H. Human Reproduction, March 2007; online edition. Cecilia Ramlau-Hansen, doctoral student, department of occupational medicine, Aarhus University Hospital, Denmark; visiting scholar, University of California at Los Angeles. Donna Baird, PhD, epidemiologist, National Institute of Enviromental Health Sciences, National Institutes of Health, Bethesda, Md. “Reduced Fertility Among Overweight and Obese Men,” Epidemiology, September 2006; vol 17: pp 520-523.

    ==========

    ③<mr3.comより転載>
    イソフラボンもろ刃の剣? 前立腺がんのリスクで

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年03月16日】

    大豆食品に含まれるイソフラボンを多く摂取する男性は、悪性度が低い前立腺がんのリスクが下がるが、進行がんに対してはそうした効果が見られず、むしろリスクが上昇する傾向があった?。こんな疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が15日発表した。

    日本人は欧米人より前立腺がんが少なく、納豆やみそ、豆腐などに多く含まれるイソフラボンが一因ではないかとの仮説がある。

    今回の調査は、がんの進行度でリスクが異なるという複雑な結果となったが、研究班の倉橋典絵(くらはし・のりえ)国立がんセンター研究員は「進行度によって違う仕組みが働くのかもしれない。サプリメントなど食事以外でイソフラボンを取りすぎるのは気を付けて」と話している。

    研究班は、全国9府県で45?74歳の男性約4万3000人を、1995年から2004年まで追跡。食習慣についてのアンケートからイソフラボン摂取量を算出し、前立腺がん発症との関係を調べた。

    その結果、61歳以上の男性ではイソフラボン摂取量が増えるほど、がん細胞が前立腺内にとどまる限局がんの発症リスクが下がることを確認。最も多いグループと最も少ないグループで、リスクに約2倍の差があった。逆に進行がんの発症リスクは、イソフラボン摂取量が増えると年齢にかかわらず上昇する傾向があった。

    ▽イソフラボン
    イソフラボン 大豆などマメ科植物の胚芽(はいが)に多く含まれる化合物。人体内で女性ホルモンに似た働きをし、骨粗しょう症や乳がんを予防する効果があるとの説がある。一方で過剰摂取するとホルモンバランスが崩れるなど健康に悪影響を及ぼす恐れもあり、食品安全委員会は食事以外での上限摂取量を1日当たり30ミリグラムと規定。妊婦や授乳中の女性、乳幼児・小児は食事以外の摂取を控えるよう求めている。

    ==========

<AAP news 2007-009=20070311>

    Effects of metformin or rosiglitazone on serum concentrations of homocysteine, folate, and vitamin B(12) in patients with type 2 diabetes mellitus.

    J Diabetes Complications. 2007 Mar-Apr;21(2):118-23.

    Sahin M, Tutuncu NB, Ertugrul D, Tanaci N, Guvener ND. Department of Endocrinology and Metabolic Diseases, Baskent University Faculty of Medicine, Ankara, Turkey.

    OBJECTIVES: Metformin is widely used in patients with type 2 diabetes but may decrease vitamin B(12) levels and increase levels of homocysteine (Hcy), a cardiovascular risk factor. Rosiglitazone, a peroxisome proliferator-activated receptor-gamma agonist, may reduce markers of inflammation. We investigated whether 6 weeks' treatment with metformin or rosiglitazone affects serum concentrations of Hcy, folate, or vitamin B(12) in subjects with newly diagnosed type 2 diabetes compared with controls.
    METHODS: We examined 165 patients with type 2 diabetes. Fasting blood samples, a physical examination, and a complete medical history were performed at the beginning and at the end of the treatment. All blood samples were obtained after a 12-h fast.
    RESULTS: After treatment, metformin use was associated with an increase in levels of Hcy by 2.36 mumol/l and decreases in folate and vitamin B(12) concentrations by -1.04 ng/ml and -20.17 pg/ml. During rosiglitazone treatment, Hcy levels decreased by -0.92 mumol/l; folate and vitamin B(12) levels remained unchanged. Metformin and rosiglitazone significantly decreased levels of triglyceride (TG), low-density lipoprotein (LDL), total cholesterol (total-C), HbA1c, insulin, and homeostasis model assessment (HOMA). Metformin also significantly decreased body weight. In controls, there was no change in Hcy, folic acid, vitamin B(12), TG, LDL, total-C, HbA1c, insulin, or HOMA levels. Homocysteine change did not correlate with insulin, folate, or vitamin B(12) changes in the metformin and rosiglitazone groups.
    CONCLUSIONS: In patients with type 2 diabetes, metformin reduces levels of folate and vitamin B(12) and increases Hcy. Conversely, rosiglitazone decreases Hcy levels in this time period. The clinical significance of these findings remains to be investigated.

    PMID: 17331860 [PubMed - in process]

    ==========

    Prospective, randomized trial of metformin and vitamins for the reduction of plasma homocysteine in insulin-resistant polycystic ovary syndrome.

    Fertil Steril. 2007 Mar 3

    Schachter M, Raziel A, Strassburger D, Rotem C, Ron-El R, Friedler S.
    In Vitro Fertilization and Infertility Unit, Assaf Harofeh Medical Center, Tel Aviv University, ZerifinIsrael.

    One hundred and two women with insulin-resistant polycystic ovary syndrome were randomized to treatment with a vitamin B preparation, metformin, or both, in conjunction with standard infertility treatment. Plasma homocysteine levels were significantly reduced by both B vitamins and metformin, but to a greater degree by B vitamins, and higher pregnancy rates were associated with vitamin B treatment.

    PMID: 17336970 [PubMed - as supplied by publisher]

    ==========

    Plasma homocysteine and polycystic ovary syndrome: The missed link.

    Badawy A, State O, El Gawad SSh, El Aziz OA.
    Department of Obstetrics & Gynecology, Mansoura University Hospitals, Mansoura, Egypt.

    OBJECTIVE: The objective was to investigate the relationship between insulin resistance and increased serum homocysteine in women with polycystic ovarian syndrome (PCOS).
    DESIGN: Prospective controlled trial.
    SETTING: Department of Obstetrics & Gynecology, Mansoura Faculty of Medicine, Mansoura, Egypt.
    PATIENTS: Ninety PCOS women as a study group and 35 women with infertility due to other causes as a control group.
    OUTCOME MEASURES: Serum homocysteine levels in the presence and absence of insulin resistance in PCOS patients.
    RESULTS: Homocysteine levels were significantly higher in PCOS patients than in the controls. Considering 11mumol/l as the cut-off level for a normal homocysteine level, 41.1% of PCOS patients (37 out of 90) and 2.9% of control group (1 out of 35) had high homocysteine levels. With regard to insulin resistance, 23% of PCOS patients without insulin resistance (9 out of 39) had a high homocysteine level, while 47% of PCOS patients with insulin resistance (24 out of 51) had this, thus demonstrating the effect of insulin resistance on the homocysteine level.
    CONCLUSION: There is a strong association between serum homocysteine and insulin resistance in women with PCOS that contributes to the long-term complications of PCOS.

    PMID: 17123696 [PubMed - in process]

    ==========

<AAP news 2007-008=20070303>

    世界初:受精能のないマウス卵子からクローン胚由来ES細胞を高効率に樹立
    - マウスをモデルに新鮮卵子の代替案を提案、ヒトでの応用研究を進めるための大きなヒントに -

    独立行政法人 理化学研究所
    平成19年2月20日

    ◇ポイント◇
    体外受精法で受精しなかった卵子を新鮮卵子の代替として活用できる可能性
    樹立したクローン胚由来ES細胞の性質は受精卵由来のES細胞とまったく同じ作出したクローン胚は胎仔に成長する能力がない

    独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、マウスを用いた実験で、これまで廃棄されていた体外受精の際に受精しなかった卵子を用い、体細胞由来のクローンES細胞を効率よく樹立することに初めて成功しました。理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)ゲノム・リプログラミング研究チームの若山照彦チームリーダー、若山清香研究員(独立行政法人日本学術振興会特別研究員)らによる研究成果です。

    これまでに、若山チームリーダーらは、マウスの体細胞クローンに世界で初めて成功し、成功率の改善を試みるのと同時に、クローン胚からES細胞を樹立し、その正常性の検討なども行ってきました。一連の研究はヒトへの応用を目指したもので、患者本人の体細胞からES細胞が樹立できると免疫拒絶反応の起こらないES細胞を作り出すことができ、医療の可能性も広がります。しかし一昨年の韓国の論文捏造事件でも議論されましたが、この技術の最大の問題点は健康な女性から多数の新鮮な卵子の提供を受ける必要があることです。また、クローン胚は子宮に戻した場合、個体に発生する能力があるため、ヒトへの応用を考える上ではこの点も倫理問題となっていました。

    今回の研究は、これらの問題を解決し、クローンES細胞の再生医学応用への可能性を狙ったものです。研究チームは、不妊治療で一般的に行われている体外受精の際に、受精しなかったために廃棄されている卵子に注目し、これを利用する可能性をマウスのモデル実験で明らかにしました。体外受精で受精しなかった卵子は、受精していないことが分かった段階で、すでに長時間培養されたために古くなっており、もう一度体外受精をすることは困難で、通常は廃棄されています。しかし研究チームはこの卵子を使ってクローンES細胞を効率よく樹立することに成功し、作ったES細胞が従来のES細胞となんら遜色のないものであることを確認しました。一方、この卵子から作ったクローン胚は胎仔へ発育することができず、クローン個体を生み出さないことも明らかにしました。

    この方法は新鮮な卵子の提供の代替策を提案し、クローンES細胞の再生医学への応用の可能性を大きく高めます。本研究は、文部科学省のリーディングプロジェクト「再生医療の実現化プロジェクト」の一環として進められました。

    本研究成果は、米国科学誌「カレント・バイオロジー」に2月19日付けで掲載予定です。

    1. 背 景
    核移植により患者自身の体細胞からクローン胚を作り、そこから免疫拒絶反応が起こらないオーダーメイドのES細胞を樹立するためには、新鮮な卵子が不可欠だと考えられてきました(図1)。一方不妊治療の現場では卵子の採取および体外受精は最も一般的な方法になっており、多くの病院で実施されています。しかし通常の体外受精では平均60-70%の卵子が受精しますが、それ以外の受精しなかった卵子は、受精の判定が可能になった時にはすでに加齢による質の低下で、もう一度体外受精をしても染色体異常が高頻度で起こってしまうため廃棄されていました。この廃棄されている受精しなかった卵子を有効に使うことができないかをマウスをモデルにして検討しました。

    2. 研究手法
    若山清香研究員らは、マウスを用いて、従来の核移植で使用していた新鮮な卵子に代えて、体外受精で受精しなかった卵子を用いて体細胞の核移植を行いました。従来の方法では、体外受精で受精しなかった卵子への核移植ではその後の発生段階に進みませんでしたが、昨年、同研究チームはクローンマウスの成功率を5倍にまで高める方法を開発しており、この方法を今回の実験に応用することで初めて、体外受精で受精しなかった卵子を用いても発生が開始することがわかりました。
     また、卵子を多数回収するためには時間がかかることから、どのくらい古い卵子でも利用が可能なのかについても検討するため、体外受精で受精しなかったマウス卵子をさらに24時間保存した卵子についても体細胞からの核移植をしました。

    こうして作出したマウスクローン胚を4日間培養した後、ES細胞樹立用培養液に移し、約1ヶ月間培養してクローンES細胞を樹立することを試みました。樹立できたクローンES細胞がES細胞であることを証明するためES細胞マーカー(Oct3/4, Nanog, SSEA-1, Alkaline phosphatase)で染色し、さらに染色体数についてもSKYと呼ばれる方法で正常性を確認しました。またこのクローンES細胞の分化能を調べるために4倍体キメラ※1を作成し、受精卵由来のES細胞と同等の性能を持っているかも調べました。

    最後に、体外受精で受精しなかった卵子で作った胚の産子への発育能を調べるため、クローン胚およびコントロールとして顕微授精(ICSI)による体外受精胚を偽妊娠マウスの卵管内に移植する方法を試みました。

    3.研究成果
    合計920個のマウス卵子に体外受精を行い、体外受精で受精しなかった卵子432個を用いて核移植を実施しました(写真1)。ドナーマウスはGFPトランスジェニックマウス※2など4種類を使用しました。その結果、体外受精で受精しなかった卵子を用いたクローン胚では、新鮮卵子を用いた場合に比べ、2細胞期で小さな細胞断片が複数見られ(写真2)、また発生停止胚の割合が高いことがわかりました(図2)。しかしクローン胚盤胞まで発生した胚からは、クローンES細胞が比較的高率に樹立でき(27株、核移植した胚の6%)、新鮮卵子を用いた場合(7%)との差は見られませんでした(表1)。24時間保存した卵子を用いた場合でも、核移植操作で死んでしまう卵子数は増加しましたが、合計10株(4%)のクローンES細胞を樹立させることができました。

    また、樹立したクローンES細胞が本当にES細胞と呼べるものなのか調べるために、ES細胞のマーカーによって染色を行ったところ、すべて陽性でした。さらに、染色体異常も見られませんでした(写真3)。一方、クローンES細胞の分化能を調べるために4倍体キメラを作成した結果、全身がほぼクローンES細胞由来のキメラマウスが生まれました(写真4)。これはクローンES細胞がマウスの体のすべての組織に分化し、正常に機能していることを意味しています。またこのキメラマウスの交配試験により、クローンES細胞は生殖細胞(卵子あるいは精子)にも分化できることを確認しました。これらの実験により、本方法で樹立したクローンES細胞が受精卵由来ES細胞とまったく同等※3であることが証明できたことになります(図3)。

    最後に、体外受精で受精しなかった卵子を用いて作ったマウスクローン胚および顕微授精胚の発育能を調べるために、それらの胚を偽妊娠マウスの卵管内に移植しました。794個の体外受精で受精しなかった卵子に核移植を行った結果、357個が2細胞期に発生しましたが、クローンマウスは1匹も生まれませんでした。顕微授精では4匹(7%)の産子が得られましたが、新鮮卵子を用いた場合(68%)より大きく低下しています。

    4. 今後の期待
    これまでに倫理問題を回避してES細胞を作る試みは、クローン技術以外にも多数報告されていました。卵子の問題については、異種動物の卵子を用いる方法やES細胞から卵子を作り出して利用する方法が報告されています。また体細胞から直接ES細胞を作り出す試みとして、体細胞とES細胞の融合によるES細胞化、あるいは遺伝子導入による直接のES細胞化が報告されています。体内にすでにある幹細胞からES細胞を作り出したという報告もあります。しかしいずれの方法でも、受精卵由来のES細胞と同等の能力を持っているということを証明できたものはありません。このため現在のところはクローン技術が唯一、完全なES細胞と呼べるものを作り出せる手段と考えられていますが、ヒトに応用するためには倫理問題が最大の障害となっています。今回研究チームがマウスを用いて示した方法は、将来ヒトでの応用研究を進めるための大きなヒントを与えるものです。

    今後、ES細胞の研究が進むと、クローンES細胞は患者自身のオーダーメイドES細胞として利用されるようになるかもしれません。残念ながらヒトクローン胚を用いたES細胞については、一昨年の韓国の論文捏造事件以来、ヒトでは特に難しいというイメージがついてしまいました。しかしヒトの場合、培養液の条件設定など最も基礎の研究にさえ十分な卵子が使えないため、最適条件の開発ができない問題も立ちふさがっています。マウスのクローンも以前は不可能だといわれていましたが、いったん最適条件が見つかってしまえばいくつもの研究室でできるようになりました。今回のマウスでの成果は、体外受精で受精しなかった卵子からクローンES細胞を樹立できることを証明し、この卵子が基礎研究に利用できることを証明したことになります。今後のヒトクローン胚の最適条件の発見が期待されます。

    (報道担当)
    独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

    <補足説明>
    ※1. 4倍体キメラ
    受精卵を薬品処理によって染色体数を2倍(合計4n:4倍体)にすると、胎盤は正常に発育するが胎児は初期に死んでしまう。この胚にES細胞あるいはクローンES細胞を混ぜることでキメラ胚を作成すると、受精卵由来の細胞は胎盤になり、ES細胞あるいはクローンES細胞が胎児になる。つまりこの方法はES細胞あるいはクローンES細胞由来の子供を作り出すことを可能にした。

    ※2. GFP トランスジェニックマウス
    蛍光遺伝子が導入された遺伝子導入マウスで、体のすべての細胞がグリーンに光るため、実験の正確さを確認するためのマーカーとして利用した。もし作られたES細胞が光らなければ、体細胞由来のクローンES細胞ではなく実験のミスということになる。調べた結果細胞はすべて光っていたため、今回の実験は間違いなく体細胞由来のクローンES細胞だったことになる。

    ※3. ES細胞の定義
    新たに作られた細胞がES細胞であることを証明するためには、その細胞が未分化マーカーで陽性を示すこと、多能性があること(胎盤以外のいろいろな細胞に分化できること)、生殖細胞にも分化できることなどすべての条件を満たさなければならない。中でも4倍体キメラの作成は、ES細胞が全身すべての細胞や器官を形成し、しかも機能が正常でなければならないためもっとも厳しい条件である。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    ゲノム規模での関連分析による2型糖尿病のリスクにつながる新しい遺伝子座の同定

    nature 2007年2月22日号
    Vol.445 No7130 / P.881-885

    Robert Sladek1,2,4, Ghislain Rocheleau1,15, Johan Rung4,15, Christian Dina5,15, Lishuang Shen1, David Serre1, Philippe Boutin5, Daniel Vincent4, Alexandre Belisle4, Samy Hadjadj6, Beverley Balkau7, Barbara Heude7, Guillaume Charpentier8, Thomas J. Hudson4,9, Alexandre Montpetit4, Alexey V. Pshezhetsky10, Marc Prentki10,11, Barry I. Posner2,12, David J. Balding13, David Meyre5, Constantin Polychronakos1,3 and Philippe Froguel5,14
    1.Departments of Human Genetics, 2.Medicine and, 3.Pediatrics, Faculty of Medicine, McGill University, Montreal H3H 1P3, Canada 4.McGill University and Genome Quebec Innovation Centre, Montreal H3A 1A4, Canada 5.CNRS 8090-Institute of Biology, Pasteur Institute, Lille 59019 Cedex, France 6.Endocrinology and Diabetology, University Hospital, Poitiers 86021 Cedex, France 7.INSERM U780-IFR69, Villejuif 94807, France 8.Endocrinology-Diabetology Unit, Corbeil-Essonnes Hospital, Corbeil-Essonnes 91100, France 9.Ontario Institute for Cancer Research, Toronto M5G 1L7, Canada 10.Montreal Diabetes Research Center, Montreal H2L 4M1, Canada 11.Molecular Nutrition Unit and the Department of Nutrition, University of Montreal and the Centre Hospitalier de l'Universite de Montreal, Montreal H3C 3J7, Canada 12.Polypeptide Hormone Laboratory and Department of Anatomy and Cell Biology, Montreal H3A 2B2, Canada 13.Department of Epidemiology & Public Health, Imperial College, St Mary's Campus, Norfolk Place, London W2 1PG, UK 14.Section of Genomic Medicine, Imperial College London W12 0NN, and Hammersmith Hospital, Du Cane Road, London W12 0HS, UK 15.These authors contributed equally to this work.
    Correspondence to: Constantin Polychronakos1,3 Correspondence and requests for materials should be addressed to C.P. (Email: Constantin.Polychronakos@McGill.ca).

    2型糖尿病は環境因子と複数の遺伝的変異との相互作用に起因するが、遺伝的変異の大半はこれまで解明されていなかった。最近では、数十万個の多型の遺伝子型決定を可能にする高密度アレイの開発により、こういった遺伝的変異を体系的に調べられるようになった。今回我々は、フランスでの症例対照コホート研究において392,935個の一塩基多型(SNP)を調べた。そして、2型糖尿病患者と対照群との間で遺伝子型頻度に最も著しい差異のあったマーカーについて、別のコホートで優先的に分析を行った。それによって、2型糖尿病リスクを高める変異が存在する4つの遺伝子座を同定し、また、TCF7L2遺伝子と2型糖尿病との既に知られている関連を確認した。これらの遺伝子座には、インスリン産生β細胞だけで発現されている亜鉛輸送体遺伝子SLC30A8の非同義多型と、β細胞の発生や機能にかかわる可能性がある複数の遺伝子を含む2つの連鎖不平衡域(IDE-KIF11-HHEXとEXT2-ALX4)が含まれる。これらの関連は2型糖尿病リスクのかなりの部分を占めており、これは、複雑な遺伝的形質の解明にゲノム規模の関連分析が有効であるという原理の証明になる。

    [原文]
    A genome-wide association study identifies novel risk loci for type 2 diabetes

    Type 2 diabetes mellitus results from the interaction of environmental factors with a combination of genetic variants, most of which were hitherto unknown. A systematic search for these variants was recently made possible by the development of high-density arrays that permit the genotyping of hundreds of thousands of polymorphisms. We tested 392,935 single-nucleotide polymorphisms in a French case-control cohort. Markers with the most significant difference in genotype frequencies between cases of type 2 diabetes and controls were fast-tracked for testing in a second cohort. This identified four loci containing variants that confer type 2 diabetes risk, in addition to confirming the known association with the TCF7L2 gene. These loci include a non-synonymous polymorphism in the zinc transporter SLC30A8, which is expressed exclusively in insulin-producing β-cells, and two linkage disequilibrium blocks that contain genes potentially involved in β-cell development or function (IDE-KIF11-HHEX and EXT2-ALX4).

    These associations explain a substantial portion of disease risk and constitute proof of principle for the genome-wide approach to the elucidation of complex genetic traits

    ==========

<AAP news 2007-007=20070226>

    ①<mr3.comより転載>
    閉経遅いと乳がんリスク増 女性ホルモンが影響か 厚労省の大規模調査

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月21日】

    初潮が早い、閉経が遅いなどの女性は乳がんになるリスクが高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が5万人以上の中高年女性を対象に実施した疫学調査で21日、分かった。
    生殖機能にかかわる女性ホルモンには乳がんの増殖を促す作用があり、分泌期間が長いと発症しやすくなるらしい。出産経験がない女性や、閉経後の肥満も高リスクと判明。いずれも欧米の調査と似た結果だった。

    研究班は今後、これらの要因から乳がん発症リスクを算出するシステムの開発を目指す。班員の岩崎基(いわさき・もとき)・国立がんセンター室長は「乳がんは女性に最も身近ながん。リスク要因を持つ人は検診を受け、早期発見につなげてほしい」としている。
    研究班は1990年から2002年にかけ、全国9府県で40?69歳の女性約5万5000人を対象に、生理や出産の経験、体格などと乳がんの関係を調べた。
    その結果、初潮年齢が14歳未満の人は、16歳以上の人より約4倍、乳がんになるリスクが高かった。閉経年齢が54歳以上だと48歳未満の約2倍だった。また出産経験がない人は経験者の2倍前後乳がんになりやすく、初産の年齢が上がると危険度が高まる傾向もみられた。
    閉経後、体格指数(BMI)30以上の肥満だと、リスクは19未満のやせ形の2倍以上に。身長は高いほどリスクも高いとの結果だった。

    岩崎室長は「中高年世代が対象の調査なので、初潮年齢などは現時点と単純に比較できないかもしれない」としている。

    ▽乳がん
    乳がん 日本では少なかったが、食習慣の欧米化などに伴って増加し、1990年代半ばに女性がかかるがんのトップになった。毎年約3万5000人が新たに乳がんと診断されるが、早期発見による治療が有効。厚生労働省は乳房エックス線検査(マンモグラフィー)などを用いた検診の普及を進めている。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    受精しない卵子でES細胞 クローン技術、マウス実験

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月20日】

    体外受精で受精しなかった卵子を使ってクローン胚(はい)をつくり、そこからさまざまな細胞に分化できる胚性幹細胞(ES細胞)をつくったとのマウス実験の結果を、理化学研究所神戸研究所(神戸市)の若山照彦(わかやま・てるひこ)チームリーダーらが米科学誌カレント・バイオロジーに20日、発表した。
    従来の方法を人間に応用する場合、女性から新鮮な卵子を提供してもらう必要がある一方、クローン人間づくりにつながる恐れが指摘されていた。このクローン胚は、雌の体内に移植しても子どもが生まれなかった。
    不妊治療の体外受精で受精しなかった卵子は廃棄されており、若山さんは「人間に応用できれば、倫理的課題の解決につながる可能性がある」と話している。

    若山さんらは受精しなかったマウスの卵子約430個で実験。核を取り除き別のマウスの体細胞の核を入れてクローン胚をつくり培養する方法で、新鮮な卵子を使った場合とほぼ同じ約6%でES細胞ができた。ES細胞の分化能力や染色体数などは正常だった。
    このクローン胚約360個を雌マウスの体内に移植する実験では、子どもは1匹も生まれなかった。こうした卵子は通常の顕微授精をしても子どもができるのはわずかで、個体発生能力があまりないらしい。
    再生医療でES細胞を使う場合に拒絶反応を避けるには、患者本人の遺伝情報を持つクローン胚を使う方法が有力とされる。

    ==========

    ③<mr3.comより転載>
    切迫早産が高用量ヒドロキシプロゲステロンの抗炎症効果で止まる

    提供:Medscape

    早期分娩における17-αヒドロキシプロゲステロンの作用メカニズムが明らかにされつつある
    Martha Kerr
    Medscape Medical News

    【サンフランシスコ 2月15日】切迫早産のリスクがある女性において、高用量ヒドロキシプロゲステロンが子宮頸管の熟化を抑制し、インターロイキン1(IL-1)を遮断することで早産を予防するのに有効である。

    この研究成果は、未熟産予防の研究に対してMarch of Dimes(訳注:小児麻痺救済募金運動)から賞を授与され、Society for Maternal-Fetal Medicine(SMFM)第27回年次会議で発表された。
    「今回の研究は、プロゲステロンが未熟産を予防するメカニズムを調べる初めての機会となった」とSMFMの座長を務めたヴァンダービルト大学(テネシー州ナッシュヴィル)の産婦人科長であるNancy Chescheir, MDがMedscapeのインタビューに答えて語った。 モデナ大学レッジョエミリア校(イタリア、モデナ)のFabio Facchinetti, MDが会議の壇上で発表したところによると、この研究の対象になったのは妊娠25週から33週の間に切迫早産が起きたがまだ分娩に至っていない入院妊婦45例であるという。

    子宮頸管分泌物では、IL-1、IL-6、IL-8、腫瘍壊死因子αなどの一連の炎症性因子について分析し、免疫アッセイで硝酸酵素と一酸化窒素酵素のレベルを測定した。
    Facchinetti博士の報告によれば、経過観察群では子宮頸管長が徐々に短縮していったが、ヒドロキシプロゲステロン群の子宮頸管長はそれより有意に長かった。追跡時のIL?1レベルは、経過観察群では安定していたが、ヒドロキシプロゲステロン群はそれより有意に低かった。17-αヒドロキシプロゲステロン処置による影響があった炎症性因子はIL?1のみであったと、Facchinetti博士は特に強く述べた。
    早期分娩した女性の数は、ヒドロキシプロゲステロン群が5例(21.7%)で、経過観察群が12例(54.5%)であった。
    「高用量プロゲステロンには、胎児に対する(有害作用の)懸念が少し持たれていたが、4年間の追跡を行った別の研究では実質的な影響がなかった」とFachinetti博士はMedscapeに語った。
    「17?αヒドロキシプロゲステロンは抗炎症物質である。その作用は子宮頸管の熟化と短縮を阻害することによると考えられる」とFachinetti博士は考察している。「ヒドロキシプロゲステロンが子宮頸管の熟化を防止するかどうかを多人数の女性で試験するための資金を得ることが、次の段階だ」。
    「臨床の現場で使用するには時期尚早である」とFachinetti博士は警告もしている。「現在、ヒドロキシプロゲステロンは早産の履歴がある女性に対して使用されている。早産のリスクがある初産婦の妊娠中に使用していいのかどうかを判断するには、その前にまず大規模ランダム化試験を行う必要がある」。

    この研究は独立資金で行われた。Chescheir博士の開示情報に、関連する利害関係は報告されていない。
    SMFM 27th Annual Meeting: Oral Concurrent Session 1, Abstract 9. Presented February 8, 2007.

    Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

    ==========

    Association of increased total antioxidant capacity and anovulation in nonobese infertile patients with clomiphene citrate?resistant polycystic ovary syndrome

    Fatma Ferda Verit, M.D.a, Ozcan Erel, M.D.b, Abdurrahim Kocyigit, M.D.b
    a Department of Obstetrics and Gynecology b Department of Clinical Biochemistry, Faculty of Medicine, Harran University, Sanliurfa, Turkey

    Received 5 June 2006; received in revised form 27 November 2006; accepted 27 November 2006 published online 13 February 2007.
    Corrected Proof

    Objective: To investigate whether total antioxidant capacity (TAC) could predict the response to ovulation induction to clomiphene citrate (CC) in nonobese women with polycystic ovary syndrome.
    Design: Prospective longitudinal follow-up study.
    Setting: Academic hospital.
    Patient(s): Fifty-five nonobese, oligomenorrheic women with polycystic ovary syndrome and normal indices of insulin sensitivity.
    Intervention(s): None.
    Main Outcome Measure(s): Standard clinical examinations and ultrasonographic and endocrine screening, including FSH, LH, E2, P, total T, sex hormone?binding globulin, DHEAS, and TAC were performed before initiation of CC medication.
    Result(s): Within the total group, 27 (49%) of the patients did not ovulate at the end of follow-up. TAC, free androgen index, and ovarian volume were all significantly different in CC nonresponders from those in responders. Total antioxidant capacity was found to be the best predictor in univariate analysis (odds ratio, 171.55; 95% confidence interval, 10.61?2,772.93), and it had the highest area in the receiver operating characteristics analysis (0.91). In a multivariate prediction model, TAC, free androgen index, and ovarian volume showed good predictive power, with Hosmer-Lemeshow goodness of fit test of 0.80.
    Conclusion(s): Total antioxidant capacity was the strongest predictor of ovarian response during CC induction of ovulation in these patients. It can be concluded that TAC can be used as a routine screening test.

    Key Words: Polycystic ovary syndrome, clomiphene citrate, anovulation, total antioxidant capacity

    ==========

    糖尿病関連の合併症は若年発症2型糖尿病患者にどの程度広がっているか?

    NCP Endocrinology & Metabolism Medicine 2007年1月号;Vol.3 No.1
    原論文
    Eppens MC et al. (2006) Prevalence of diabetes complications in adolescents with type 2 compared with type 1 diabetes. Diabetes Cure 29: 1300-1306

    PRACTICE POINT(診療のポイント)
    医師は、若年発症2型糖尿病の経過初期において合併症をモニタリングし、HbA1C値をできるだけ正常値に近く保ちながら、高血圧、異常脂質血症、微量アルブミン尿、高血糖を積極的に治療する必要がある。

    SYNOPSIS(概要)

    BACKGROUND(背景)
    2型糖尿病と診断される青年が増えているが、これはおそらく小児の肥満が増加した結果である。この患者集団における糖尿病関連の合併症の有病率については、さらなる研究が必要であることは明らかである。

    OBJECTIVE(目的)
    糖尿病関連の合併症の有病率を、若年発症2型糖尿病と1型糖尿病で比較すること。

    DESIGN & INTERVENTION(デザインと介入)
    これは、1996~2005年にオーストラリアの単一の糖尿病合併症評価センターに来所した18歳未満の1型糖尿病患者あるいは2型糖尿病患者を対象とした、臨床に基づく比較研究であった。糖尿病関連の合併症の評価は、2時間の診察ごとに行われた。

    OUTCOME MEASURES(評価項目)
    3晩蓄尿したうち2晩以上においてアルブミン排泄率が20 mg/分以上の場合、あるいはアルブミン/クレアチニン比が2.5 mg/mmol以上の場合、微量アルブミン尿と定義した。糖化ヘモグロビン(HbA1C)値の測定により血糖コントロールを評価し、糖尿病でない範囲は4~6%とした。総コレステロール値5.2 mmol/L超および中性脂肪値1.7 mmol/L超の場合、異常脂質血症と定義した。自律神経障害、網膜症、甲状腺機能、高血圧についても評価した。

    RESULTS(結果)
    研究には1型糖尿病患者1,433例と2型糖尿病患者68例が組み入れられた。1型糖尿病患者は主に白人であったが、2型糖尿病患者では民族的背景はより多様であった。1型糖尿病患者は各々、中央値2回(1~12回)の合併症評価を行った。2型糖尿病患者のうち36例が合併症評価を受けたが(患者1例当たり中央値2回[1~4回]の評価)、その内訳は25例が病期分類を行う網膜症の検査を、24例が末梢神経の検査を、23例が自律神経の検査を受け、全員にアルブミン排泄率の測定が行われた。合併症評価に参加した2型糖尿病患者は、農村部より都市部から來所している割合が高かったが(9%対91%)、参加者と非参加者の間で社会経済学的不利に関するスコア、年齢、HbA1C値に差はなかった。1型糖尿病患者は2型糖尿病患者より糖尿病の罹病期間が長く(6.8対1.3年)、HbA1C値の平均値が高かった(8.5%対7.3%)。両群において肥満患者の割合に差はなかったが、2型糖尿病患者は肥満である傾向が高かった。網膜症は2型糖尿病患者より1型糖尿病患者に多くみられたが(4%対20%)、2型糖尿病は1型糖尿病より微量アルブミン尿(28%対6%)、高血圧(36%対16%)と強い関連があった。また2型糖尿病患者は、1型糖尿病患者より異常脂質血症を有する傾向が高かった。神経障害の割合は両群で同等であった。多変量解析によると、2型糖尿病においてHbA1Cの高値は微量アルブミン尿の強力な予測因子であった(オッズ比[OR]1.67)。これとは対照的に、1型糖尿病では高齢(OR 1.3)と収縮期高血圧(OR 3.63)が微量アルブミン尿と関連した。

    CONCLUSION(結論)
    より強力な血糖コントロールを行い、疾患の罹病期間も短期であるにもかかわらず、2型糖尿病を有する青年は、1型糖尿病の青年よりも微量アルブミン尿および高血圧の有病率が高い。

    KEYWORDS(キーワード)
    青年、高血圧、微量アルブミン尿、1型糖尿病、2型糖尿病

    COMMENTARY(解説)
    Jennifer Miller and Janet Silverstein
    2型糖尿病と診断される前のしばらくの期間、個人にはインスリン抵抗性(およびおそらくは高血糖)が存在する可能性があり、これにより成人の診断時に糖尿病の合併症が既にあるという結果となることは以前から医師の知るところであった。また、2型糖尿病は炎症性アディポカインの高値とアディポネクチンの低値が特徴であり、微小血管および大血管の疾患と関連する1。若年発症2型糖尿病の有病率が増加しているため、罹患した個人がまだかなり若年の場合、糖尿病の合併症が検出される頻度が高くなるであろう。
    Eppensらによるこの研究は、2型糖尿病のある青年では、疾患の経過初期に微量アルブミン尿、高血圧、異常脂質血症といった糖尿病関連の合併症の発生率が実際に高いことを証明している。この知見は、ピマ族の研究2を考え合わせると、特に警戒すべきものである。ピマ族の研究では、青年期に2型糖尿病と診断された個人では、より高齢で診断された個人と比べて末期腎疾患による死亡率が2倍であること、また若年発症2型糖尿病の個人では、あらゆる原因による死亡率が糖尿病ではない集団の3倍であることが示されている。
    Eppensらの研究では、1型糖尿病の青年より2型糖尿病の青年において高血圧と微量アルブミン尿の発症頻度が高かった。若年発症2型糖尿病のHbA1Cの平均値は7.3%であり、これは1型糖尿病の青年におけるHbA1Cの平均値より1.3%低いにもかかわらず、また2型糖尿病では1型糖尿病コホートより糖尿病の罹病期間が短い(1.3年対6.8年)にもかかわらず、この違いが認められた。さらに、若年発症2型糖尿病患者の半数以上に、異常脂質血症が検出された。この知見は、高血圧、微量アルブミン尿、糖尿病はいずれも、(高血糖の結果というより)高血糖と同時発生するメタボリックシンドロームの症状である可能性を示唆している。若年発症2型糖尿病のある個人の多くは、糖尿病関連の合併症についてスクリーニングを1回しか受けておらず、このことからこれらの合併症は、実際は著者らが示した以上に頻度が高い可能性を示唆している。若年発症2型糖尿病の経過初期において医師が合併症をモニタリングし、これらの患者の高血圧、異常脂質血症、微量アルブミン尿、高血糖を積極的に治療する必要があることを本研究ははっきりと示している3。 しかしながら、2型糖尿病の若年患者において、開業医はしばしばHbA1C目標値を達成できないことが複数の研究によって指摘されている。したがって、1型糖尿病の個人を対象としたDiabetes Control and Complications Trial(DCCT)で実施されたものと同様の集中的な集学的治療を、2型糖尿病の青年に実施すべきである4。
    Eppensらの知見には、非常に高い臨床上の意義がある。ある多施設共同研究によれば、米国全土の糖尿病センターでは2型糖尿病のある個人の12~17%が糖尿病関連の合併症についてスクリーニングを受けていなかった5。開業医は2型糖尿病の青年において心血管の危険因子が多くみられることを認識し、診断時に患者全員に徹底してスクリーニングを行う必要があることを、これらのデータは示唆している。

    ==========

<AAP news 2007-005=20070209>

    ①<mr3.comより転載>
    受容体増加で糖尿病改善 メタボリック治療の可能性

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    メタボリック症候群を抑える働きがあるホルモン「アディポネクチン」と結合するタンパク質(受容体)を遺伝子操作によりマウスの肝臓で増加させ、糖尿病の症状を改善することに門脇孝(かどわき・たかし)東京大教授(糖尿病代謝学)らの研究チームが8日までに成功した。
    この受容体の働きを高める物質を見つければ、糖尿病や肥満、メタボリック症候群の治療薬や予防薬になる可能性があるという。成果は米医学誌ネイチャーメディシン3月1日号に掲載される。
    アディポネクチンは脂肪を蓄積する細胞から分泌され、筋肉や肝臓の細胞が脂肪を燃焼するのを助ける「善玉ホルモン」として働くことが分かっていた。

    研究チームは、肥満で糖尿病のマウスの肝臓を調べ、アディポネクチンの受容体の数が正常なマウスの6割程度に減少していることを発見。受容体を作る遺伝子の働きを高めて数を増やしたところ、血糖値が半分程度にまで下がり正常値に近くなった。
    受容体が肝臓で働く複数の酵素を活性化し、効きが悪くなっていたインスリンの作用が改善されたためとみている。
    門脇教授は「野菜や果物にあるタンパク質のオスモチンがアディポネクチンと構造が似ており、受容体を活性化する薬になる可能性がある」と話している。

    岩崎室長は「中高年世代が対象の調査なので、初潮年齢などは現時点と単純に比較できないかもしれない」としている。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    対人関係構築に関与か マウスのタンパク質で確認

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    出産や授乳の際に分泌され、対人関係や人への信頼感の構築にかかわるとされる「オキシトシン」というホルモンの分泌に「CD38」というタンパク質が重要な役割を果たすことを、金沢大などの研究グループがマウスの実験で突き止め8日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。CD38は白血球表面や脳などにあるが、脳での機能は不明だった。
    金沢大の東田陽博(ひがしだ・はるひろ)教授(神経化学)は「対人関係が築きにくいといった一部の自閉症にCD38が関係している可能性もあり、治療や診断の手掛かりになるかもしれない」と話している。
    同グループが、遺伝子操作でCD38を欠損させたマウスの行動を観察したところ、雄は既知のはずの雌をなかなか認識できず、雌は子どもへの注意が散漫になるなど行動に異常がみられた。こうした行動は、オキシトシンを欠損させたマウスでみられることが知られている。

    また、CD38を欠くマウスの血液や脳脊髄(せきずい)液を調べたところ、オキシトシン濃度が正常なマウスの半分強しかないことが判明。このマウスがCD38を再び作れるようにしたところ、血中と脳脊髄液中のオキシトシン濃度が上昇して異常行動も改善されたため、CD38がオキシトシン分泌に必須と結論づけた。
    オキシトシンは、親子やつがいのきずな形成など、社会行動に関連する物質として注目されている。

    ==========

<AAP news 2007-005=20070209>

    ①<mr3.comより転載>
    受容体増加で糖尿病改善 メタボリック治療の可能性

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    メタボリック症候群を抑える働きがあるホルモン「アディポネクチン」と結合するタンパク質(受容体)を遺伝子操作によりマウスの肝臓で増加させ、糖尿病の症状を改善することに門脇孝(かどわき・たかし)東京大教授(糖尿病代謝学)らの研究チームが8日までに成功した。
    この受容体の働きを高める物質を見つければ、糖尿病や肥満、メタボリック症候群の治療薬や予防薬になる可能性があるという。成果は米医学誌ネイチャーメディシン3月1日号に掲載される。
    アディポネクチンは脂肪を蓄積する細胞から分泌され、筋肉や肝臓の細胞が脂肪を燃焼するのを助ける「善玉ホルモン」として働くことが分かっていた。

    研究チームは、肥満で糖尿病のマウスの肝臓を調べ、アディポネクチンの受容体の数が正常なマウスの6割程度に減少していることを発見。受容体を作る遺伝子の働きを高めて数を増やしたところ、血糖値が半分程度にまで下がり正常値に近くなった。
    受容体が肝臓で働く複数の酵素を活性化し、効きが悪くなっていたインスリンの作用が改善されたためとみている。
    門脇教授は「野菜や果物にあるタンパク質のオスモチンがアディポネクチンと構造が似ており、受容体を活性化する薬になる可能性がある」と話している。

    岩崎室長は「中高年世代が対象の調査なので、初潮年齢などは現時点と単純に比較できないかもしれない」としている。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    対人関係構築に関与か マウスのタンパク質で確認

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    出産や授乳の際に分泌され、対人関係や人への信頼感の構築にかかわるとされる「オキシトシン」というホルモンの分泌に「CD38」というタンパク質が重要な役割を果たすことを、金沢大などの研究グループがマウスの実験で突き止め8日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。CD38は白血球表面や脳などにあるが、脳での機能は不明だった。
    金沢大の東田陽博(ひがしだ・はるひろ)教授(神経化学)は「対人関係が築きにくいといった一部の自閉症にCD38が関係している可能性もあり、治療や診断の手掛かりになるかもしれない」と話している。
    同グループが、遺伝子操作でCD38を欠損させたマウスの行動を観察したところ、雄は既知のはずの雌をなかなか認識できず、雌は子どもへの注意が散漫になるなど行動に異常がみられた。こうした行動は、オキシトシンを欠損させたマウスでみられることが知られている。

    また、CD38を欠くマウスの血液や脳脊髄(せきずい)液を調べたところ、オキシトシン濃度が正常なマウスの半分強しかないことが判明。このマウスがCD38を再び作れるようにしたところ、血中と脳脊髄液中のオキシトシン濃度が上昇して異常行動も改善されたため、CD38がオキシトシン分泌に必須と結論づけた。
    オキシトシンは、親子やつがいのきずな形成など、社会行動に関連する物質として注目されている。

    ==========

<AAP news 2007-005=20070209>

    ①<mr3.comより転載>
    受容体増加で糖尿病改善 メタボリック治療の可能性

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    メタボリック症候群を抑える働きがあるホルモン「アディポネクチン」と結合するタンパク質(受容体)を遺伝子操作によりマウスの肝臓で増加させ、糖尿病の症状を改善することに門脇孝(かどわき・たかし)東京大教授(糖尿病代謝学)らの研究チームが8日までに成功した。
    この受容体の働きを高める物質を見つければ、糖尿病や肥満、メタボリック症候群の治療薬や予防薬になる可能性があるという。成果は米医学誌ネイチャーメディシン3月1日号に掲載される。
    アディポネクチンは脂肪を蓄積する細胞から分泌され、筋肉や肝臓の細胞が脂肪を燃焼するのを助ける「善玉ホルモン」として働くことが分かっていた。

    研究チームは、肥満で糖尿病のマウスの肝臓を調べ、アディポネクチンの受容体の数が正常なマウスの6割程度に減少していることを発見。受容体を作る遺伝子の働きを高めて数を増やしたところ、血糖値が半分程度にまで下がり正常値に近くなった。
    受容体が肝臓で働く複数の酵素を活性化し、効きが悪くなっていたインスリンの作用が改善されたためとみている。
    門脇教授は「野菜や果物にあるタンパク質のオスモチンがアディポネクチンと構造が似ており、受容体を活性化する薬になる可能性がある」と話している。

    岩崎室長は「中高年世代が対象の調査なので、初潮年齢などは現時点と単純に比較できないかもしれない」としている。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    対人関係構築に関与か マウスのタンパク質で確認

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月8日】

    出産や授乳の際に分泌され、対人関係や人への信頼感の構築にかかわるとされる「オキシトシン」というホルモンの分泌に「CD38」というタンパク質が重要な役割を果たすことを、金沢大などの研究グループがマウスの実験で突き止め8日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。CD38は白血球表面や脳などにあるが、脳での機能は不明だった。
    金沢大の東田陽博(ひがしだ・はるひろ)教授(神経化学)は「対人関係が築きにくいといった一部の自閉症にCD38が関係している可能性もあり、治療や診断の手掛かりになるかもしれない」と話している。
    同グループが、遺伝子操作でCD38を欠損させたマウスの行動を観察したところ、雄は既知のはずの雌をなかなか認識できず、雌は子どもへの注意が散漫になるなど行動に異常がみられた。こうした行動は、オキシトシンを欠損させたマウスでみられることが知られている。

    また、CD38を欠くマウスの血液や脳脊髄(せきずい)液を調べたところ、オキシトシン濃度が正常なマウスの半分強しかないことが判明。このマウスがCD38を再び作れるようにしたところ、血中と脳脊髄液中のオキシトシン濃度が上昇して異常行動も改善されたため、CD38がオキシトシン分泌に必須と結論づけた。
    オキシトシンは、親子やつがいのきずな形成など、社会行動に関連する物質として注目されている。

    ==========

    **********

<AAP news 2007-003=20070209>

    ①<mr3.comより転載>
    妊婦無料健診、5回を提案 厚労省が都道府県などに

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年2月5日】

    厚生労働省は2日までに、胎児や母親の健康状態を診断する妊婦健診をめぐり、市町村ごとに実施している無料健診の回数を、現在の2回程度から、5回程度に増やすことが望ましいと都道府県や政令市に提案した。
    国の少子化対策の一環として、2007年度予算で自治体に配分される地方交付税のうち、少子化対策に充てる事業費が06年度予算の約2倍の約700億円に増額される方針であることを受けた措置。事業費が増加した分の一部を妊婦健診の費用負担に回し、無料回数を増やして出産世帯の負担軽減を図ることが狙い。

    厚労省によると、無料健診は04年度の実績では全国平均で約2回。一方、出産までに受診することが望ましいとされる健診回数は、通常の場合で14回程度。実際に何回、健診を受けているかのデータは取っていないが、無料となる2回分を除いた自己負担の総額は平均で約12万円に上っている。
    厚労省は、無料健診の拡大提案と併せて、自治体が妊婦健診の周知や広報活動に積極的に取り組むことも奨励した。

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    羊水から万能幹細胞 再生医療への応用期待

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年1月9日】

    【ワシントン7日共同】体のさまざまな細胞に分化する能力を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に似た幹細胞を、人間の子宮の羊水から取り出すことに成功したと米ウェークフォーレスト大の研究チームが米科学誌ネイチャーバイオテクノロジー(電子版)に7日、発表した。
    ES細胞は、病気などで機能を失った組織を人工的につくって移植する再生医療への応用が期待されているが、受精卵を壊さないと得られないという倫理的な問題が研究推進の障害になっている。だが、今回見つかった羊水由来の幹細胞は通常の医療行為から得られるので、倫理的な問題は少ないという。

    研究チームは、胎児の異常などを調べる羊水検査で採取した羊水中に含まれるさまざまな細胞の中から、分化の方向が決まっている幹細胞とES細胞との中間の性質を持った特殊な細胞を選別することに成功。

    この細胞の数は全体の1%と少ないが、36時間で倍になるという高い増殖能力を持ち、培養条件を変えることで筋肉や神経、肝臓、骨、血管、脂肪の各細胞に分化させることができた。
    チームは「羊水由来の幹細胞は将来的に病気の治療への応用が有望だ」と指摘。「10万人分の羊水を集めてバンクを作れば、米国民3億人の99%への移植に対応できる」と試算している。

    ==========

<AAP news 2007-003=20070204>

    ①<mr3.comより転載>
    トランス脂肪酸摂取により排卵障害性不妊症リスクが高まる可能性

    提供:Medscape

    炭水化物や不飽和脂肪の代わりにトランス脂肪酸摂取が多い女性は、排卵障害性不妊症リスクが高いことを示すプロスペクティブ(前向き)コホート研究結果
    Laurie Barclay, MD
    Medscape Medical News

    【1月22日】炭水化物や不飽和脂肪の代わりにトランス脂肪酸の摂取が多い女性は、排卵障害性不妊症リスクが高いことを示すプロスペクティブ(前向き)コホート研究結果が、『American Journal of Clinical Nutrition』1月号に報告された。

    「ペルオキシソーム増殖応答性受容体-γ(PPAR-γ)の薬理学的活性化により、多嚢胞性卵巣症候群女性の排卵機能は改善する。また、食事中に含まれる特定の脂肪酸はPPAR-γ活性に影響する」とハーバード大学公衆衛生大学院(マサチューセッツ州ボストン)のJorge E. Chavarro, MDらは記している。「トランス型不飽和脂肪酸(TFA)は排卵障害性不妊症リスクを高める一方、高度不飽和脂肪酸(PUFA)は同リスクを抑制するという仮説について、我々は検討を行った」。
    不妊症既往歴のない閉経前の既婚女性で、1991-1999年に妊娠を試みたか、実際に妊娠した18,555例のコホートについて、研究者らはプロスペクティブ(前向き)な追跡調査を実施した。追跡調査期間中、食物摂取頻度に関する質問票を用い、食事の評価を2度行った。
    調査期間中、排卵障害性不妊症が438件報告された。ロジスティック回帰分析の結果、全脂肪、コレステロール、大部分の種類の脂肪酸摂取は、排卵障害性不妊症に関連しないことが明らかになった。既知および疑いのあるリスク因子について補正後、炭水化物によるエネルギー摂取に比べ、トランス型不飽和脂肪によるエネルギー摂取が2%上昇するごとに、排卵障害性不妊症リスクが73%高まった(相対リスク[RR]1.73、95%信頼区間[CI]1.09-2.73)。
    n-6系高度不飽和脂肪の代わりに、トランス型不飽和脂肪から2%のエネルギーを摂取すると、排卵障害性不妊症リスクは同様に上昇した(RR 1.79、95% CI 1.11-2.89)。また、一価不飽和脂肪の代わりに、トランス型不飽和脂肪から2%のエネルギーを得ると、排卵障害性不妊症リスクは2倍以上に上昇した(RR 2.31、95% CI 1.09-4.87)。
    「炭水化物や未硬化植物油に一般に含まれる不飽和脂肪の代わりにトランス型不飽和脂肪を摂取した場合、排卵障害性不妊症リスクが高まる可能性がある」と著者らは記している。「この結果は女性の年齢、経産回数、経口避妊薬使用歴、喫煙、BMI[体格指数]、月経周期の長さ、アンドロゲン過剰の臨床所見による差が認められなかった」。

    この研究の限界としては、被験者が妊娠を計画していたかどうか不明であること、選択バイアスの可能性、観察デザインであり、関連に対する未測定の交絡因子が存在しうること、食物摂取量の五分位数に基づくカテゴリー分析であり、有意な関連を検出する統計学的検出力が限られていることが挙げられる。
    「これらの関連が以前に報告されていないことを考慮すると、今回の知見は別の試験で再現される必要がある。プロスペクティブ(前向き)大規模試験および妊娠を計画中であることが明らかな夫婦を対象としたランダム化試験において、結果が再現されることが望ましい」と著者らは結論付けている。「トランス脂肪を未硬化植物油に置き換えることで、冠動脈性心疾患および2型糖尿病リスクをおそらく抑制できると考えられるため、妊娠を計画中の女性はこの点を考慮すべきである。また、同時に不妊症リスクも抑制できる可能性がある」。

    この研究は、Nurses' Health Study IIの主要助成金および米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けた。著者らは、関連する金銭的関係がないことを公表している。

    Am J Clin Nutr. 2007;85:231-237.

    Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

    ==========

    ②<mr3.comより転載>
    世界初の体外受精児が出産

    記事:共同通信社
    提供:共同通信社

    【2007年1月17日】

    【ロンドン16日共同】世界初の体外受精児として1978年に生まれた英国のルイーズ・ブラウンさん(28)が自然妊娠の後、昨年12月20日に英南部ブリストルで、2700グラムの男の子を出産していたことが分かった。AP通信が16日までに報じた。
    ブラウンさんは78年7月25日に生まれ、当時は「奇跡の赤ちゃん」と呼ばれた。2004年に結婚し、自然妊娠を望んでいたという。
    ブラウンさんと同じく体外受精で生まれた、妹のナタリーさんも、1999年に出産を経験している。
    英国では04年3月までの1年間に1万242人の体外受精児が誕生しているという。

    ==========

<AAP news 2007-002=20070226>

    ①<mr3.comより転載>
    ミトコンドリアDNAの型・ハプログループN9a

    記事:Japan Medicine
    提供:じほう

    【2007年1月26日】
    2型糖尿病に罹患しにくいDNAの型発見 個人の遺伝情報に応じたテーラーメード予防法実践へ

    東京都老人総合研究所・三重大・韓国のソウル大、岐阜県国際バイオ研究所、岐阜県立3病院の共同研究グループは、2型糖尿病にかかりにくいミトコンドリアDNAの型をアジア人において明らかにした。これは、個人の遺伝情報に応じたテーラーメード予防を可能にする研究成果。グループは、メタボリックシンドローム・心筋梗塞・脳卒中などでも、それぞれに関連するミトコンドリアDNAの型を見いだしており、これら疾患に対し、遺伝情報に応じたテーラーメード予防を実践できると期待している。

    今回の研究は、東京都老人総合研究所健康長寿ゲノム探索研究チームの福典之主任研究員、西垣裕研究副部長、田中雅嗣研究部長らと三重大生命科学研究支援センターの山田芳司教授、岐阜県国際バイオ研究所の野澤義則所長ら、岐阜県立の3病院(岐阜県総合医療センター・岐阜県立多治見病院・岐阜県立下呂温泉病院)、および韓国ソウル大医学部内科学講座ホン・キュー・リー教授の共同研究。研究成果は、米国人類遺伝学会誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス」の電子版(http://www.journals.uchicago.edu/AJHG/)に掲載された。
    東京都老人総合研究所の田中研究部長らは、1998年に100歳を超える長寿者11人に特徴的なミトコンドリアDNA配列があることを世界的な科学雑誌「Lancet」に報告していた。 その後、田中部長らはミトコンドリアDNAを構成しているすべての塩基配列(1万6569塩基対)を、日本人672人を対象に調べ、2003年からミトコンドリアDNAの多型(=1塩基多型=SNP。遺伝子の中の1個の塩基が別の塩基に置き換わっているもの)に関する世界最大のデーターベース(http://www.giib.or.jp/mtsnp/index.shtml)を公開するとともに、科学雑誌「ゲノム・リサーチ」に報告した。さらに、このデーターベースを元に、ミトコンドリアDNAの型の網羅的解析システムを開発した。

    約4300人のデータを解析
    これら研究成果をふまえて、岐阜県立の3病院を受診した2906人(2型糖尿病患者1289人、健常者1617人)およびソウル大医学部付属病院を受診した1365人(2型糖尿病患者732人、健常人633人)を対象に、糖尿病のかかりやすさや、かかりにくさに関連するミトコンドリアDNAの型を探索した。
    その結果、日本人男女および韓国人男女で約4%の頻度で見つかるミトコンドリアDNAの型(ハプログループN9a)を有する人が2型糖尿病にかかりにくいことが分かった。
    2型糖尿病患者の中で、このDNAの型(ハプログループN9a)を持つ人は3.0%だったが、健常人の中でこの型を持つ人は5.3%もいた。これらから、このDNAの型(ハプログループN9a)を持つ人は、持たない人に比べて、45%も2型糖尿病にかかるリスクが有意に低いことが分かった。
    特に、日本人女性ではこのDNAの型(ハプログループN9a)を持つ人は、持たない人よりも、2型糖尿病にかかるリスクが73%も有意に低いことが明らかになった。

    かかりやすいDNAの型も明らかに
    一方、日本人男女では約8%と高い頻度で見つかるミトコンドリアDNAの型(ハプログループF)を有する人は、2型糖尿病にかかりやすいことが明らかになった。このDNAの型(ハプログループF)を持つ人は、持たない人よりも1.54倍も、2型糖尿病にかかりやすいという。
    ハプログループN9aというミトコンドリアDNAの型を持っている人は、2型糖尿病にかかりにくい遺伝的体質を有している。このため、このDNAの型(ハプログループN9a)を持っていない人に対しては、積極的に生活習慣改善を行うなどのテーラーメード予防策が、2型糖尿病発症抑制に寄与すると考えられる。
    このDNAの型(ハプログループN9a)を持っていない人の中でも特に、ハプログループFの人は、グループF以外の人より1.54倍も2型糖尿病にかかりやすい遺伝的体質を持っているので、積極的な予防策が2型糖尿病発症抑制に特に有用になると考えられる。
    糖尿病のかかりにくさに関与しているDNAの型(ハプログループN9a)においては、ミトコンドリアDNAの1万2358番目の塩基がアデニンからグアニンに変化している。このため、ミトコンドリアでのエネルギー産生に関与する酵素(電子伝達系複合体I)のアミノ酸の1つがトレオニンからアラニンに変化している。
    研究グループでは「このアミノ酸配列の1カ所の違いが、ミトコンドリア機能に影響を与え、糖尿病にかかりにくい体質の基礎となっている」と推定している。

    Copyright (C) 2007 株式会社じほう

    ==========

<AAP news 2007-001=20070226>

    うつと脳_相次ぐ分子異常の発見でくつがえる仮説
    nature DIGEST_v3_n12_Dec 2006 p20

    ==========

    臨床エンブリオロジスト学会(岡山)
    京大農学部の山田先生のウシ卵子のIVM周期における形態不良卵の表層の脂質顆粒の除去とATP代謝亢進目的でβ酸化を亢進させるカルニチンの有用性を卵胞のカルニチントランスポーターOCTN2の遺伝子の発現をPCRにおいて確認されました。しかも、OCTN2は培養24h後は更に強発現しておりましたので、この変化が酸化ストレスに対するスカベンジャーとしてのカルニチンの作用であると推察される。背景には、おそらく、ミトコンドリア型GSHのアイソザイムのPHGPxも発現が推察されます。

    **********