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※一般の方でL-カルニチンについて詳しく知りたい方はロンザジャパン株式会社によるL-カルニチン総合案内がおすすめです。

L-カルニチン

L-カルニチンとミトコンドリア

ミトコンドリア

L-カルニチンは2つのアミノ酸(リジン、メチオニン)を原料として、肝臓、腎臓および脳で作られる生体微量成分です。1日に約10~20mgが生成され、体内には常に約20gが貯蔵されています。その90%以上が筋肉細胞の中に存在しています。L-カルニチンはエネルギー代謝バランス維持のために必要な栄養成分です。

L-カルニチンの基本的な機能は2つあり、「遊離脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ」ことと「ミトコンドリアを遊離脂肪酸から守る」ことです。


L-カルニチンの仕事その1

遊離脂肪酸をミトコンドリアに運んでエネルギーを作り出す

細胞内にある小さな器官であるミトコンドリアは外膜と内膜の二重構造になっており、この二重の膜を遊離脂肪酸などの栄養素や化合物が通過してミトコンドリア内部へ入っていき、物質の酸化によるエネルギーを用いて生体活動に必要なエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)を産生します。しかし、脂肪酸はそのままでは内膜を通過できず、通過するにはL-カルニチンの助けが不可欠です。内膜を通過した脂肪酸はミトコンドリアの内部でβ-酸化を受けて脂肪が燃焼されエネルギーを作り出します。


L-カルニチンの仕事その2

デリケートなミトコンドリアの膜を遊離脂肪酸から守る

ミトコンドリアの膜は非常にデリケートです。それに対して遊離脂肪酸(アシル基)は“抜き身の刀剣”のような過激な分子なので、膜を通過する時に傷つけてしまいます。L-カルニチンが結合することで、L-カルニチンはこの“刀剣の刃”を包んで膜を通過しミトコンドリアが傷つくのを防ぎます。言わば“鞘”の役目を果たすわけです。膜を傷つけずにミトコンドリアの内部に入った遊離脂肪酸は正常に燃焼しエネルギーを作ることができます。


ミトコンドリアの機能改善で疾患をもとから予防

メタボリック症候群は高脂血症や糖尿病、腎疾患、動脈硬化など多くの疾患のもとになります。メタボリック症候群の原因の1つがエネルギー代謝のバランスの失調です。また、疲れが取れにくい、ホルモンバランスの不調などもエネルギー代謝バランスが失われているためです。これを改善するにはミトコンドリアのエネルギー代謝機能を整える必要があります。その役割を果たすのがL-カルニチンなのです。

ミトコンドリアの活躍